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上場企業のタブレット利用動向、約60%が2015年までにタブレットを初期導入~インフォテリア調査

 インフォテリア株式会社は3月31日、上場企業におけるタブレット端末の利用動向に関する調査結果を発表した。タブレットによる上場企業の「ワークスタイルの変革」は着実に進行し、高い活用効果が現れているとしている。

 調査は、上場企業に勤務する社員1000人に対して実施したウェブアンケートによるもので、調査期間は2016年2月。

 タブレットの導入状況については、「2015年までに初期導入」が57%で、「今後の導入予定あり」まで含めると全体の73%を占め、上場企業の多くでタブレット導入が進んでいる。

 業種別では、導入率の高い業種は「電気・ガス・水道」「流通・小売」、低い業種は「教育・学習支援業」「広告・出版・印刷業」となった。ただし、「教育・学習支援業」は初期導入率が低いものの、2016年以降の導入予定数が最も多く、今後導入が進む業種だとしている。

タブレット導入状況
タブレット導入開始時期
業種別タブレット導入状況

 企業内のタブレット活用状況については、「充分活用されている」は全体の13%だが、「ある程度活用されている」までを含めると71%に達する。また、タブレットを「全社員に貸与している」企業では、「充分に活用されている」が全体の48%、「ある程度活用されている」まで含めると92%となり、「特定部署のみに貸与」や「特定社員のみに貸与」の企業に比べて活用が進んでいる。

タブレット活用状況
タブレットの貸与状況と活用状況

 タブレットのビジネス活用のために導入しているソフトウェアは、1位が「オフィスソフトウェア」、2位が「コンテンツ管理」、3位が「PDFビューアー」となり、「ファイル」をタブレット上で利用するためのソフトウェアが上位に挙がった。

 企業のタブレット導入効果については、「業務処理の改善、効率化」が最も多く、「社内コミュニケーション、情報共有の向上」「顧客への迅速な対応」が続いた。

 導入ソフトウェア別のタブレット導入効果については、「タブレット導入効果あり」の割合が最も多いソフトウェア1位は「手書きアプリ」、2位は「コンテンツ管理ソフトウェア」、3位は「ファイル共有」。投資額が高額になると思われる「自社開発アプリ」よりも、手書きアプリやコンテンツ管理ソフトウェア、ファイル共有などが導入効果が高い結果となった。

タブレット活用のために導入しているソフトウェア
企業のタブレット導入効果について
導入ソフトウェア別タブレット導入効果ありの割合

 インフォテリアでは、モバイル向けコンテンツ管理(MCM)システムの「Handbook」を販売している。2010年に国内でiPadが販売開始されてから6年が経過し、この間にタブレットやスマートフォンを導入した企業においては、業務効率化、営業力強化、生産性向上など、高いビジネス効果が現れてきていると説明。一方で、タブレットを充分に活用しきれていない企業や、今後の導入が期待される業界もあるとして、さらなるワークスタイル変革に貢献できる提案活動を継続していくとしている。

三柳 英樹