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応用電子、企業内ネットワークから外部に安全に接続する仮想通信システム

 株式会社応用電子は5日、企業内ネットワークから外部インターネットへの接続を安全かつ簡便に実現する仮想通信システム「Virtual Desktop Sandbox(以下、VDS)」を発明し、基本特許を取得したと発表した。

 この特許に関する発明は、個人情報や機密ファイルが格納されたサーバーや企業内ネットワークに接続されたPCから外部インターネットに接続する際に、仮想デスクトップやサンドボックスなどの技術を応用し、安全性の高い接続を提供する仕組みに関するもの。

 VDSでは、企業内ネットワークと外部ネットワークとの間に、入口と出口の2つのファイアーウォールで防御された仮想マシンを置き、これを仮想デスクトップのサンドボックスとして機能させる。また、企業内ネットワーク側に認証サーバーが置かれているため、内部ネットワーク側から外部ネットワークへのアクセス権限も管理できる多層防御構造となっている。

 仮想デスクトップ部分はサンドボックスとして機能し、インターネットなど外部からのデータは、すべてVPNトンネルを介して仮想デスクトップ上のVDSウインドウに表示される。これにより、インターネットからのデータはVDS内でのみ取り扱いが可能となるため、PCへのウイルス感染やサーバーへのサイバー攻撃から、企業内ネットワークを守ることが可能になるとしている。

 応用電子では今後、VDSを応用したシステムやサービスを、官公庁、企業、病院、学校その他団体などに提供するパートナー企業の強化・拡充を図るとともに、2016年前半には19インチラック型アプライアンスサーバーの提供を開始し、大規模運用向け製品を特許ライセンス方式で提供する予定と説明。2016年度中に、民間企業向けに2万特許ライセンス(20万ユーザー)、官公庁・自治体向けに8000特許ライセンス(8万ユーザー)の販売を目指すとしている。

三柳 英樹