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従業員100人超の企業にIT投資積極化の傾向、セキュリティ需要も増加~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は23日、国内企業1480社のCIO(最高情報責任者)に対するIT投資動向調査の結果を一部公表した。2015年度のIT支出計画について、前年との比較で「変わらない」との回答が全体の6割以上を占めたが、大企業や中堅企業に投資積極化の動きがあるとしている。

IT投資増減値(増加-減少)の経年変化

 IDC Japanは各種の有償調査レポートを販売しており、今回のデータは「2015年 国内CIO調査:ITサービス/アウトソーシング利用実態」(税別60万円)の一部にあたる。調査自体は2015年4月に行われた。

 調査によれば、従業員数100人以上の中堅企業と1000人以上の大企業に限った場合、IT支出が前年比で「変わらない」としたのは5割以下で、全体平均を下回った。一方で「増加」と答えた中堅企業は35.9%、大企業は37.2%で、いずれも「減少」の回答割合を上回ったという。

 IDC Japanはこの結果について、「アベノミクスの恩恵を受けて業績を伸ばした大企業・中堅企業を中心に、ITに積極的に投資しようという動きが鮮明になっている」と分析している。

 IT投資の対象領域は、調査対象になったすべての従業員規模の企業および産業分野で、セキュリティ関連項目がトップを占めた。また、将来の海外展開を踏まえてか、グローバルに活動するITベンダーを選択する比率が高まっているという。

 こういった状況を踏まえ、IDC JapanはITベンダー各社に対し、セキュリティソリューションの充実に全力を尽くすべきだと訴えている。

森田 秀一