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サンディスク、I/Oボトルネックを解消する高速フラッシュストレージ「Fusion ioMemory SX350」
(2015/5/12 06:00)
サンディスク株式会社は、サンディスク製NANDフラッシュメモリを搭載したPCIeアプリケーションアクセラレータ「Fusion ioMemory SX350」を、6月1日から出荷する。米SanDiskが2014年に買収した米Fusion-io製品に、初めてサンディスク製NANDフラッシュを搭載し、第2世代製品と比べGBあたりのコストが最大で61%削減した。性能についても帯域幅は86%以上向上し、読み取りIOPSは257%以上向上したと説明している。
実績としても、Fusion-io時代に「日本のお客さまは実績を気にされる方が多いが、2008年からマーケットをリードしてきた実績がある。この分野で、これだけ実績があるといえるのはサンディスクだけ」(サンディスク コマーシャルビジネスマーケティング シニアマネージャーの山本哲也氏)と性能、実績に強い自信を見せた。
サンディスクのビジネスは、コンシューマ用メモリカード、USBメモリ、SSDなどのイメージが強いが、サンディスク エンタープライズセールス ディレクターの奥村英記氏は、「現在売り上げの67%が主にコマーシャルビジネス製品で、リテール製品は33%。売り上げ的には、すでにエンタープライズ向け製品の企業となっている」と説明した。
エンタープライズ向け事業では、サーバーベンダー上位5社がサンディスク製品を採用し、ストレージベンダーでは上位4社が採用といった実績がある。
今回の製品「Fusion ioMemory」は、もともとFusion-ioが開発していた製品。PCI Express接続型で、フラッシュメモリをストレージとして利用する。HDDと同じ形状で、中身のプラッタがフラッシュメモリであるSSDと比較すると、高パフォーマンスかつ低レイテンシ(遅延)、アプリケーションを高速化するソフトウェア技術とセットとなっている、といった特徴を持っている。
サンディスク製NANDフラッシュメモリとVSLデータアクセスアクセラレーションソフトウェアを搭載することで、従来製品である「Fusion ioMemory ioDrive2」と比較した場合、最大で61%の低価格化と、価格性能比最大4倍を実現した。
「ムーアの法則の進化にストレージはついていくことができていない、という観点からFusion-ioは設立された。優れたパフォーマンス、高い安定性を実現する低エラー発生率による運用コストの最適化を実現している」(山本氏)。
高性能サーバーにFusion ioMemoryを搭載した場合、超高速データベースシステム基盤を実現し、トランザクション処理の高速化、データベース統合におけるパフォーマンス要件をクリア、ビッグデータレベルでのデータ増加にも柔軟に対応し、高速フラッシュストレージとしてI/Oボトルネックを解消する。
今回の新製品である「SX350」は、容量が1.25TB~6.4TB。仮想化、データベース、ビジネスインテリジェンス、リアルタイム金融取引などの読み書き混合ワークロード、あるいはWebホスティング、データマイニング、地図情報データ処理、コンテンツキャッシュ、3Dアニメーション、CAD/CAMなど、読み取り負荷の高いワークロードに向いた、コスト効率の高いソリューションとなる。
またMicrosoft、VMware、Oracle、Citrix、SAPなど大手ソフトウェアメーカーとの協力関係を持ち、主要ソフトを高速化できるのも特徴。
Fusion ioMemory PCIeアプリケーションアクセラレータと、FlashSoftとのバンドル製品であるFlashSoftキャッシュソフトウェアの両方のメリットを、1つのソリューションとして提供し、ストレージOSやアーキテクチャの種類を問わず、評価やデプロイ、サポートが容易となる。
SX350は、従来製品の2倍以上となるランダム読み取りIOPSを実現するとともに、耐用性が向上しているほか、VSLが実現するダイレクトメモリアクセス方式によって、レイテンシーを最小化しながらアプリケーションのスループットを最大化する。
なお、Fusion-io時代はOEMで製品を提供することが多かったため、導入顧客の実名は明らかにしていないものの、Cisco、Dell、HP、Lenovo、富士通といったサーバーベンダーに製品を提供し、4年で400社を越える導入実績を持つとした。
今後の日本での展開としては、「さらに多くのユーザー獲得を進めていくとともに、これまでは強化していなかったシステムインテグレータとの関係を強化していきたい。たくさんのHDDを劇的に削減し、運用の手間を軽減できる点などを顧客に訴えていくために、システムインテグレータの力を借りていきたい」(奥村氏)としている。