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TKC、マイナンバー対応のクラウドを全国自治体へ提供開始

 株式会社TKCは2日、全国の市区町村に向けて「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」の提供を開始した。すでに3月9日から栃木県大田原市において運用が開始されている。

 すでに提供済みの「TASKクラウドサービス」の後継に位置づけられるもので、社会保障・税番号(マイナンバー)制度への対応はもとより、業務に不慣れな人(新任職員・臨時職員・外部委託者など)も迷わず正しい処理ができるようにガイド機能を搭載するなど、大幅な機能強化が図られた。

新世代TASKクラウド(番号制度対応版)

 主な特長は、全国の市区町村と「共同利用」するクラウドサービスとして、単独導入・複数団体による共同運営組織型のいずれの場合でも利用が可能。これにより「最少のコストで最適な業務プロセスを実現する」としている。

 機能面では、市区町村150余名のベテラン職員の意見を反映したナビゲーション機能で、常に最適な業務プロセスを実現。実務に即した高速な画面展開で、住民からの問い合わせや相談に迅速に対応するという。操作ガイダンスにより操作に不慣れであっても直感的に利用でき、変更箇所の強調やエラー項目への誘導といった補助機能で入力ミスを防止する。

 データは堅牢なTKCデータセンターで24時間365日安全に保管され、大規模災害などにより通常のネットワーク回線が切断した場合も、モバイル回線を使って住民サービスを継続できる。

 新たな行政サービスとしては、タブレット端末などの最新ICTに加え、将来的には住民ごとのマイポータルを構築することも可能。データセンターに蓄積されたデータを多面的に分析し、各種資料の作成や住民の満足度を向上させる政策立案にも活用できるという。

 同社は2012年3月からTASKクラウドサービスを提供し、中でも住基・税務の基幹系システムでは、「埼玉県町村情報システム共同化推進協議会(18町村)」や「いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会(4市町)」による共同利用など、全国60団体(2015年1月1日現在)での採用実績を有している。

 2012年10月には「番号制度対応推進室」を設置し、情報収集や分析・検討を進めるとともに、制度導入に向けた各種支援策を展開してきた。今後も2017年7月にスタートする国・地方公共団体による情報連携を見据え、TASKシリーズを利用する170団体に対して、「情報連携に伴う各種システムのレベルアップやサーバー等の設定変更といった煩雑な作業からの開放」「制度が求めるより一層の住民の利便性向上と行政運営の効率化の実現」に注力できるよう、新サービスへの移行提案を積極的に推進していく考え。

川島 弘之