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教育現場のグループ学習を「見える化」、富士通SSLとHAL東京が共同研究

 株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(以下、富士通SSL)は9日、教育現場におけるグループ学習の見える化システム開発を目指し、その第一弾として、学校法人・専門学校HAL東京の先端ロボット開発学科と共同で、個々の発話者を特定する仕組みについて研究を開始した。

 富士通SSLは2014年7月から、教育現場での学習や企業での共創活動を支援するツール群「Webコア Innovation Suite」の開発を進めている。この開発に関連し、グループ学習の質的向上を目的に、今回の研究を開始した。

 教育現場では、グループ学習における生徒の理解度など学習状況の見える化を目的に、グループごとに録画した映像をもとに、グループ学習の記録としてキーワードなどを書き起こし、分析している。しかし、その作業はほとんど手作業で行われるため、効率化が求められているという。

 そこで、グループ学習記録を映像(生徒の表情と手元の手書きノートなど)・音声(発言)を記録、システム画面上に生徒別に時系列でいつ・どのような発言をしたのかをキーワードで表示、生徒が発言した音声を確認、場の盛り上がりやその時々の生徒の表情・手書きノートの内容を一目で確認できる、見える化システムの開発を目指す。

開発予定ツールの画面イメージ

 具体的には、ロボット制御系技術の専門家である鈴木克英氏の指導の下、先端ロボット開発学科の生徒と共同で音声記録と分離について共同研究を開始した。まずは、音源定位の仕組みの検討に取り組む。音源定位とは、複数のマイクで録音したグループディスカッションの内容に対し、自動で発話者を判別する仕組み。位置識別とは異なり、参加者が動きながら発言しても自動で声を追いかけて発話者を特定できるという。この仕組みを使って、見える化システムを実現させる考え。

川島 弘之