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独SAPとパナソニック、サッカーのプレイ分析で協業、俯瞰カメラ活用

 独SAPとパナソニック株式会社は12日(現地時間)、ビデオを使ったスポーツ分析で協力すると発表した。

 SAPは、2014年ワールドカップ・ブラジル大会に向け、ドイツサッカー連盟(DFB)と協力する形で、サッカー分析ツールのプロトタイプ「SAP Match Insights」の開発に成功しており、現在もさらなる開発・商用化を進めている。これをベースに今後、パナソニックの動画・トラッキングソフトとSAP Match Insightsの連携に取り組む計画。

 本提携では、SAPが試合中の位置データを分析できるよう、パナソニックが動画分析とソフトから得られる位置データを提供する。パナソニックはHDカメラ4台を組み合わせて一体化し、リアルタイムのスティッチング処理を通じて、4倍ワイド(64:9)のパノラマ映像を生成。この装置により、フィールド全体の動きを同時に捉えられるようにする。

 「ウルトラワイドアングルカメラ」と呼ばれる同装置は、スタジアムの天井に吊すか、屋根の構造に組み込むのが一般的で、カメラはコンピュータとインターネットに接続され、パナソニックのソフトによって、各プレイヤーとボールの位置データが収集される。収集された未加工のデータを含むファイルを「SAP HANA」プラットフォームに転送。これにより、位置データを1秒あたり30のポジションに分割し、各プレイヤーとボールの動きを高精度かつリアルタイムに分析できるという。

 従来の方法では、プレイヤーのすね当てやボールにセンサーを取り付けることでデータを収集していたが、SAP HANAとの組み合わせによる動画ベースのスポーツ分析技術をこれと置き換える考え。公式の規制により、サッカーの試合中にプレイヤーにセンサーを取り付けることは通常禁止されている一方、動画装置はピッチの近くにも置くことが許されているため、とりわけ魅力的な選択肢になるだろうとしている。

川島 弘之