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ジェネシスのコンタクトセンター製品とIBM Watsonが連携、人工知能が問い合わせ対応
(2014/7/3 06:00)
ジェネシス・ジャパン株式会社は2日、IBMと提携し、コンタクトセンター業務を効率化する「カスタマーエクスペリエンス(CX)・プラットフォーム」と人工知能「IBM Watson」を連携させると発表した。
IBM Watsonは、自然言語とヒューマンスタイルのコミュニケーションを理解し、事実を根拠とした仮説を生成、その結果を学習する人工知能。ジェネシスのCXプラットフォームと連携することで、新たなCXが創出される。
具体的には、ユーザー企業の顧客がWatsonボタンからチャットによるセルフサービスをリクエストすると、Watsonがコールセンターのエージェントに代わって顧客の質問に回答してくれる。Watsonは自ら考え、学習して専門的な情報を提供してくれるほか、数百万ページものデータを数秒で検索し、顧客を購買の意志決定に導くフィードバックをエージェントに返してくれる。
顧客の問い合わせが複雑な場合は、最適なエージェントへ自動でバトンタッチ。それまでの顧客とWatsonのやりとりはすべてCXプラットフォームに記録されるため、エージェントはWatsonが提供してくれるデータの集合体を活用し、そこから得られる知識を活用して顧客へ満足度の高い回答が可能になるという。
Watsonが顧客の一次対応と、エージェントのナレッジベースとなってくれるわけだ。Watsonは日本語化が進められているところだが、それが完了した段階で具体的なサービス提供となるようだ。
WebRTCでWebブラウザからの問い合わせを実現
このほか、Webブラウザからコンタクトセンターへの問い合わせを実現する「Genesys WebRTCサービス」も発表した。
WebRTCは、Webブラウザにプラグインを追加することなく、音声・ビデオによるリアルタイム・コミュニケーションを実現する技術で、W3CがAPI、ITEFがプロトコルの標準化を進めている。これまでWeb経由のコミュニケーションは音声専用のアプリケーションが必要だったり、端末に附属しているマイク・カメラが利用できないという制約があったりしたが、WebRTC対応ブラウザ(Chrome/Firefox/Opera)を経由することでこうした課題が解消される。
Genesys WebRTCサービスを利用することで、新たにWebブラウザ上にも音声・ビデオによる問い合わせチャネルを容易に追加できるという。Webブラウザ上からの問い合わせを実現するだけでなく、問い合わせ前に顧客がどのWebサイトを見ていたかなどの閲覧履歴をエージェントに提供することも可能。また、HTTPS、SIP TLS、TLS-FIPS、およびIETF推奨の暗号化されたRTP(SRTP)にも対応し、セキュアなコミュニケーションを実現する。
価格はオープンで、2年間で30社への導入を目指す。