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IBM Watsonが日本語を学習へ、日本IBMとソフトバンクテレコムが提携

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)とソフトバンクテレコム株式会社は10日、日本での「IBM Watson」の開発と市場への導入において、戦略的に提携すると発表した。現在、Watsonは日本語に対応できていないが、この協業ではWatsonが日本語を理解できるようなトレーニングが行われるという。

 Watsonは、コンピュータでありながら、人と同じように情報から学び、経験から学習するコグニティブ・テクノロジー。自然言語で問い合わせができ、質問の前後の脈絡を判断して答えを示してくれるのが特長で、日本IBMでは、Watsonを活用すると、企業はビジネスを取り巻くデータをより深く理解して活用し、より適切な意思決定を行えるようになるとしている。

 また、「ユーザーによる教育」「過去のインタラクションからの学習」「新しい情報の取り込み」という3つの方法によって知識を蓄積していく仕組みを備えている。

 今回の両社のパートナーシップは、ソフトバンクとIBM東京基礎研究所の間での、継続的なコグニティブ・コンピューティング技術における協業の上に成り立っており、Watsonへの日本語による教育とトレーニングを協力して行うほか、日本で利用可能なAPIの開発と開発環境を整備する考えだ。

 また、IBMとソフトバンクテレコムが、Watsonを革新的な方法で活用するビジネスパートナーや起業家、アプリケーション開発者、投資家といった幅広いエコシステムを構築することにより、Watsonで強化された新たなアプリケーションやサービスを日本市場に導入としている。

 なお提携の一部として両社は、新しいコグニティブ・コンピューティング能力を継続的にクラウドで提供する計画。商品やサービスについてより関連の深い情報の提供、多様で大規模なデータの流入の分析によって意思決定の包括的な改善などを重視している、教育、銀行、保険、小売りや医療などの業界にソリューションを提供するとのこと。

石井 一志