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デル、セキュリティ事業説明会を開催~エンドトゥエンドでのソリューションが強み

DELL SonicWALLのUTMアプライアンス製品

 デル株式会社は23日、セキュリティ事業に関する説明会を開催。米Dellによる買収によって自社のソリューションに取り込んだ、SonicWALLやSecureWorksの事業戦略を説明した。

 そのうちDell SonicWALL(デル・ソニックウォール)ブランドで展開されている事業は、主に中堅・中小企業を対象としたUTM(統合脅威管理)アプライアンスが中核となる。間もなく終了する2014年度(2014年1月期)を振り返ったデル ソフトウェア事業本部 セキュリティソフトウェア本部の藤岡健本部長は、「既存のお客さまへの認知が進むなど、Dellによる買収効果が顕在化してきたことで、導入が活性化。2013年は当社経由での販売が昨年(2012年)と比べて3倍強に増えた」と、事業の進ちょくを説明する。

 また、「従来より強いSMBを中心に堅調に推移した結果、アプライアンス製品は出荷台数ベースで過去最大を記録した」としたほか、新たな分野として、公共部門(教育機関や県市町村)を中心に、ハイエンドモデルである「SuperMassive」の導入が加速していることも大きなトピックだという。

 このように販売が広がっている理由としては、「他社よりも高い攻撃検知率はもちろん、パフォーマンスの高さと、標準価格ベースで競合の約半分というコストの安さが評価されている。お客さまにセキュアな環境を作っていただくために、運用を含めて最適なコストで使えるようにしている」(藤岡氏)とのこと。

デル ソフトウェア事業本部 セキュリティソフトウェア本部の藤岡健本部長
2014年度を振り返って

 今後は、こうした特徴を訴求し、アップグレードや他社製品からの置き換えを引き続き推進するため、主にSMB市場向けでは新規チャネルの拡大を図る考え。一方、中堅・大企業を含めた市場において、デル全体でのトータルセキュリティソリューションとしての販売も進めるとしており、藤岡氏は、「システムの導入・管理を支援する『KACE』製品群やSecureWorksとワンストップで提供できる点がデルの強みだ」と述べた。

 特にSonicWALLとKACEとの連携では、モバイルデバイス管理に着目。「スマートデバイスの普及とともに、外部リモートアクセスの管理ソリューションが注目されている」という点を指摘し、このソリューションを訴求していく意向を示した。

 なおデルでは、RFDPIエンジンによってパケット単位でマルウェアなどの脅威をスキャンするSonicWALLの手法と、ファイルを受信してからスキャンする、他社のプロキシベースの手法を比較した検証結果を公開。大きな遅延が発生する他社製品と比べ、安定したスループットを提供できることを示して、自社の優位性をアピールしていた。

SMB市場向けの施策
中・大規模市場向けの施策

 一方、2013年2月に国内提供が発表されたSecureWorksでは、セキュリティ&リスクコンサルティングサービス(SRC)、マネージドセキュリティサービス(MSS)、スレットインテリジェンス(TI:脅威解析)サービスなどを提供しており、企業のセキュリティ対策を包括的に支援できるという。

 デル SecureWorks ビジネス&マーケティング シニア・マネージャの古川勝也氏は、「セキュリティ対策は、エンドトゥエンドで守らないと意味がなく、そのためにすべてを包括的に提供できるのが当社の強み。設計から、個別のセキュリティソリューション実装、導入後のセキュリティを維持する運用、そして定期的な見直しまでのライフサイクル全般をカバーできる」と、その特徴を話す。

 またSecureWorksでは、SonicWALLやKACEといった自社製品のみならず、さまざまな製品との連携に対応できることから、すでに導入されている既存セキュリティ製品の有効活用など、ユーザー環境にあわせたコストの最適化も可能とした。

デル SecureWorks ビジネス&マーケティング シニア・マネージャの古川勝也氏
エンドトゥエンドでセキュリティソリューションを提供できる点がデルの強みという

石井 一志