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アルバ、統合BYODソリューションと802.11ac対応アクセスポイントを発表

 アルバネットワークス株式会社(アルバ)は24日、同社が展開する「MOVE(Mobile Virtual Enterprise)アーキテクチャ」を拡張し、統合BYODソリューション「Aruba WorkSpace」および企業向け802.11ac対応アクセスポイント「Aruba AP-220シリーズ」を提供開始すると発表した。

 「MOVEアーキテクチャ」は、企業の本部やモバイル勤務の専門職、リモートワーカー、ゲストに対して、有線および無線のネットワークインフラを単一のシームレスなアクセスソリューションへと統合するものだ。

 今回、同アーキテクチャを拡張する背景について、米Aruba Networks インダストリーソリューション ディレクターのジェラード・フェスタ氏は、「モバイルデバイスの普及によって、企業ではBYODへの対応が大きな課題となっている。また、急増するモバイル向けアプリケーションを、即座にダウンロードできる高速なネットワーク環境も求められている。これらを解決するために重要となるのが、セキュリティアップデートへの対応、ネットワークインフラの整備、そしてアクセス管理の改善である」と説明。

 「こうしたニーズに対応するべく、『MOVEアーキテクチャ』を拡張し、BYOD対応を包括的に支援する『Aruba WorkSpace』と、モバイルアクセスを最適化する『Aruba AP-220シリーズ』を新たにリリースする」としている。

米Aruba Networks インダストリーソリューション ディレクターのジェラード・フェスタ氏
「MOVEアーキテクチャ」の拡張
「Aruba WorkSpace」の機能概要

 「Aruba WorkSpace」は、同社のClearPass統合認証基盤システムの新コンポーネントで、ネットワークアクセス制御(NAC)、モバイルデバイス管理(MDM)、モバイルアプリケーション管理(MAM)のすべてのシステムを同一プラットフォームに統合する、業界初の統合BYODソリューションとなる。

 NAC機能では、業務アプリケーションに応じて、高い優先順位が自動的にネットワークに割り当てられ、従業員のデバイスが信頼できないネットワークに接続されると、自動的にアプリケーションごとのVPNを確立してトラフィックを暗号化し、中断することなく内部リソースへのアクセスを提供する。「脱獄(Jailbreak)デバイス」や認証されないアプリケーションがデバイスに含まれている場合には、ネットワークへのアクセスを制限することもできる。

 MDM機能では、すでに導入しているMDMソリューションや自社で選択したソリューションを利用して、コンテクストベースのネットワークポリシーやデバイスのオンボーディング、セキュリティといったモバイルデバイス管理のためのあらゆる機能を統合することが可能。これにより、ユーザーや使用するデバイス、稼働するアプリケーションや場所に応じて、モバイルデバイスのセキュリティにとって重要な動作を制御することができる。

 MAM機能では、従業員の業務アプリケーションへのアクセスや管理を行うだけでなく、AirPrintやAirPlayのデバイスをほかのユーザーやグループと共有したり、ネットワーク上にあるその他のデバイスの管理やゲストアカウントの設定を行ったりすることが可能。また、個人のモバイルデバイス使用を管理するために、業務アプリケーションやコンテンツ用に隔離された暗号化スペースをデバイス上に設定する。

 この暗号化スペース内の情報については、IT部門が完全に管理できる一方で、デバイス上のパーソナルな領域については可視化されないため、従業員のプライバシーを保護することができる。

 現在、「Aruba WorkSpace」はベータ版の試験を行っており、7月から提供開始する予定。

「Aruba AP-220シリーズ」の機能概要

 「Aruba AP-220シリーズ」は、IEEE 802.11ac規格に対応したアクセスポイントの新製品。独自の新技術「ClientMatch」技術を採用し、“スティッキー”なクライアントについて、無線LAN内でローミングを行い、接続可能範囲内の最適なアクセスポイントに常に接続することができる。

 また「ClientMatch」技術を、Microsoft LyncなどのリアルタイムUCCアプリケーションに対するアプリケーション可視化機能と組み合わせることで、企業内の使用されていないデスク電話やデスクごとのフリーアクセスネットワークポートをすべて撤去して、エンタープライズネットワークを適正な規模にすることができるとした。

 さらに、「Aruba AP-220シリーズ」は、IEEE 802.11ac専用に設計されているため、移行に要する時間とコストを削減できる点も特徴だ。モジュール型の802.11ac対応アクセスポイントに比べて、消費電力を大幅に低減できるとともに、省電力モードを搭載しており、IEEE 802.3af準拠のPoE電源で低速稼働させることも可能となっている。

 「Aruba AP-220シリーズ」の価格は20万8000円から。提供開始は6月を予定している。

 なお、同社では、「MOVEアーキテクチャ」拡張の一環として、米Meridian Apps(以下、Meridian社)を買収したことも発表した。「この買収によって、当社のもつユーザーおよびデバイス、アプリケーションに関するネットワークベースの独自のコンテクスト情報と、Wi-Fiを基盤とするMeridian社のスマートフォンおよびタブレット向け経路探索ソリューションを統合し、新たな位置情報サービスの提供を目指す」(フェスタ氏)としている。

(唐沢 正和)