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NTTデータ、新グループビジョンを発表する設立25周年イベント
社員が考えた歌詞を採用したオリジナルソングも披露
(2013/5/24 11:58)
NTTデータは23日、都内で設立25周年記念イベントを開催した。同社のこれまでの歩みを振り返るとともに、新たな“グループビジョン”を発表。全世界にあるグループ企業の全社員から募集した歌詞をもとに制作したオリジナルソングも披露し、グローバル展開を積極的に推し進める同社の新たなビジョンの実現に向け志気を高めた。
グローバル化はセカンドステージ、サードステージへと向かう
イベントは、同社の沿革をムービーで紹介するところから始まった。1967年当時、日本電信電話公社のデータ通信部門から端を発し、1988年に前身となるNTTデータ通信株式会社として発足した際には、すでに売上高2288億円、社員数6412名という規模になっていた。主に公共・金融分野のインフラサービスを提供し、1996年に東証一部上場、1998年に現在の株式会社NTTデータに社名変更した。
その後、ファミリマート、日本たばこ産業などとの資本提携を進め、今や月間処理件数が4億件を超えるまでに成長したクレジットカード決済ネットワーク「CAFIS」の開発や、500以上の金融機関が利用するインターネットバンキングサービス、NTTドコモのiモードサービスを支えるシステムなど、大規模ソリューションの開発を次々に行ってきた。
さらに、海外企業のM&A戦略を加速させたことで、現在では海外の136都市に拠点を構え、全従業員数6万2000人、売上高は24年連続増収となる1兆3019億円に達している。
ムービーの後に登場した同社取締役社長の岩本 敏男氏は、特に近年“Global IT Innovator”として活動してきたNTTデータのこれまでの足跡を踏まえ、次の10年間はどこへ向かっていくべきなのか、その行動の指針となる“グループビジョン”を発表した。
2年近くかけて検討を重ねたというこのグループビジョンは、3つの要素からなる。1つ目は「We realize the dreams of our clients around the world through long-term relationships.(長期にわたる関係性を通じて、顧客の望みを実現する)」、2つ目は「We develop evolving ecosystems with our clients through leading-edge technologies.(先端技術により顧客が集うエコシステムを創出する)」、3つ目は「We enhance our creativity by respecting diversity.((従業員一人一人の)多様性を尊重することで創造力を高める)」というもの。
これら3つには、それぞれを端的に表す“Values(重視すべきこと)”がひもづけられ、1つ目については“Client First(顧客第一)”、2つ目については“Foresight(先見の明)”、3つ目については“Teamwork(従業員同士の協調)”とした。25年という長い歴史と、世界に向けITを核にビジネス展開する同社の強みをより引き出し、発展し続けるための行動指針としてこのグループビジョンが機能することを期待しており、「我々はすでにグローバルでファーストステージに立っている。これからはグローバルにおけるセカンドステージ、サードステージへと向かっていこう」と力強く宣言、会場に集まった同社社員らを沸かせた。
イベントの途中で岩本氏は囲み取材にも応じた。同社は2016年1月から導入される予定の共通番号制度(マイナンバー)に関するシステム構築を受注するのではないかと目されているが、それについては「1つの会社で全部やるということはありえないので、NTTデータとして一番ふさわしいところは頑張る。日本(国民)のために実施するものなので、ビジネスという風には思っていない。それにRFP(提案依頼書)がどういう形で出てくるかもまだわかっていない。マイナンバーそのものに関わるビジネスはそう大きくはないはずで、本当に大きくなるのは、それを中核としてそれぞれの分野でマイナンバーを使って業務などを効率化する部分だろう。たとえば民間にも条件付きで開放することになった暁には、いろいろな広がりが出てくると思っている」と話した。
また、今後のグローバル展開については、「アジア太平洋地域(における売上)は今すぐにはボリュームは来ないが、少し先を見たら、絶対に(ボリュームは)来る。特にインドネシアがよく、マレーシア、シンガポール、タイもいい。NTTデータが今一番弱いのはラテンアメリカ市場だが、マツダ、ホンダなどの日本企業も出て行っているメキシコが今一番ホット。メキシコでのビジネスは、中期的には堅いだろう」と述べ、7月1日に設置する海外事業を統合的に担う同社組織「グローバルビジネスカンパニー」への期待感も示した。
NTTデータのオリジナルソングを披露
今回の記念イベントでは、全世界のNTTデータグループ全社員から歌詞を募集し、制作したという歌「NTT DATA One Song - Shine like the sun -」も披露された。
歌詞はおよそ1200人から応募があり、その中の“笑顔・感謝・信頼・Together・Respect”といった多数のワードを同社の日本語解析エンジン「なづき」を用いてデータマイニングを行ったうえでカテゴライズし、構成し直したとのこと。英語バージョンと日本語バージョンの2種類が用意され、作曲は英国の音楽プロデューサーおよび作曲家であるニック・ウッド氏が担当した。
岩本氏はこの歌について、「いわゆる日本的な社歌とするつもりはありません」と断りつつ、世界中のNTTデータグループの社員一人ひとりが、身の回りの家族や友達、コミュニティを大切にしながら自己実現をしてほしいという願いを込めた歌であると語った。今後この歌は社内外のイベントなどで活用されるとのことだ。