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富士ゼロックス、グローバルでの輸送ステータス可視化を実現

NECとGXSのクラウドサービスを活用

 富士ゼロックス株式会社は16日、自社の貿易業務に関するノウハウと、日本電気株式会社(以下、NEC)の物流統合クラウドサービス「NeoSarf/Logistics」、GXS株式会社のグローバル対応企業間データ連携クラウドサービス「GXS Managed Services」を組み合わせ、グローバルな商品の輸送状況を可視化するシステムを構築したと発表した。2月から日本・中国間の輸送品を対象に運用を開始し、今回、中国と北米・欧州間に適用を拡大したという。

 富士ゼロックスでは、中国や日本国内でデジタル複合機、プリンタなどを生産し、日本・アジア太平洋地域の各国で販売するほか、北米・欧州などにも輸出を行っているが、海外の販売会社などから緊急な納期問い合わせを受けた場合、従来は工場や各輸送業者に都度確認し回答していた。また海外の販売会社は、万一の輸送遅延に備えて多めの在庫を確保していたという。

 こうした状況を改善するために、今回構築したシステムでは、GXS Managed Servicesを利用して収集した約40社の輸送業者の輸送ステータスを、NeoSarf/Logisticsのデータベースに登録することで、販売会社、需給部門、生産拠点といった、物流にかかわるどの部門の管理番号で検索しても、輸送中商品の現在ステータスが把握できるようにした。

 これにより富士ゼロックスは、リードタイムが長い国際輸送でも、きめ細やかな管理ができるようになり、納期問い合わせへの回答の迅速化や、在庫の削減、洋上にある商品へのオーダー引き当て、さらには生産計画精度の向上など、需給コントロールの強化を実現するとしている。

 なお同社では、文書管理の一元化を実現するドキュメント管理ソリューションを展開しており、インボイスやパッキングリスト(梱包明細書)など、多くの帳票が必要となる貿易業務でも、多数の企業がこうしたソリューションを導入している。NECとGXSは、富士ゼロックスがドキュメント管理ソリューションで培った貿易業務のノウハウを活用し、今回の輸送ステータスの可視化を実現したとのこと。

 またNECでは、今回の実績を生かしながら、NeoSarf/Logisticsにより企業の物流業務の効率化や経営基盤の強化に貢献していきたい考え。一方のGXSでは、世界で55万社以上の企業が利用するB2Bネットワーク基盤を生かして、迅速な企業間データ連携を通じたグローバルビジネスを支援するとしている。

(石井 一志)