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サイボウズ、業務アプリクラウド「kintone」を強化~Excelファイルからの自動アプリ作成が可能に

SNS機能もβ提供へ

 サイボウズ株式会社は11日、業務アプリを容易に構築できるクラウドサービス「kintone」をアップデートしたと発表した。業務で利用しているExcelファイルをクラウドアプリへ自動変換する機能や、社内SNS機能「スペース」と「ピープル」のβ版を提供開始するなど、20個異常の新機能を追加した。

 「kintone」は、独自開発のクラウド基盤「cybozu.com」を利用した、ビジネスアプリ向けのPaaS型サービス。アンケート、売り上げ集計、問い合わせ管理、日報などの多様なWebアプリケーションを、ノンプログラミングで簡単に構築できる点が特徴で、リリースから1年の間に500社以上で導入されている。

Excelファイルから自動でアプリを生成

 今回のアップデートで提供される新機能「Excelからのアプリ作成」では、アプリ作成画面でExcelファイルを選択して読み込むと、「kintone」が最適なフィールド設定を判断し、アプリを自動的に作成してくれる。また移行時には、Excelファイルに登録されていたデータも同時に移行される。

 実は、「kintone」契約ユーザーの約6割は、顧客管理もしくは案件管理を目的にしているとのことだが、これらの用途では、Excelファイルを用いてチーム内で顧客リストや案件進ちょくの管理を行っているケースが多く、意図しないコピーが増殖したり、複数人が同時に作業できなかったり、といった課題を抱えていた。

 しかし、この機能でアプリを作成すれば、一覧画面はExcelと同じ使い勝手のままで、列の幅調整・列ごとのソート・条件による絞り込みやグラフ作成・一覧画面での編集が可能。1行のデータごとに詳細画面があるため、顧客や案件詳細情報を見間違えることなく正確に閲覧・編集できるほか、詳細画面にはコメントを書き込めるので、従来はメールや口頭などで別途やり取りしていたコミュニケーションを、データ情報とひも付けて管理することができる。

データ1つ1つで、コメントによるコミュニケーションができる

 さらに、クラウドサービスであるため、外出先からのアクセスやスマートフォン/タブレット端末での操作が、より容易に行えるようになる。こうしたメリットを生かして、サイボウズでは“脱Excel”を促進したい考えだ。

社内SNS機能のβ版を提供

 また社内SNS機能「スペース」では、具体的には、トピックごとに掲示板を作成し、業務連絡やディスカッションをメンバー内で行えるようにした。ディスカッションに必要なデータがkintoneアプリに蓄積されいるのであれば、「スペース」内に容易に表示できることから、データを見ながらのディスカッションも可能としている。

 もう1つの社内SNS機能である「ピープル」では、kintoneの登録ユーザー1人1人が個人のタイムラインを持ち、自由に情報発信できる。一般的なSNSと同様に、フォロー/アンフォロー、メンション、発言へのいいね!ボタンなどを備えており、社内での人的交流を支援可能だ。

 なお現段階では、「スペース」「ピープル」の両機能はβ版として提供される。

「スペース」機能
「ピープル」機能

アプリストアをリニューアル

「このアプリを追加」の1クリックでアプリが追加可能に

 すぐに使えるビジネスアプリを提供している「kintoneアプリストア」も、今回のアップデートに合わせてリニューアルされた。従来は、テンプレートファイルをダウンロードして自社環境にインストールする形式をだったが、今回より、自社環境内でアプリを選ぶだけで、すぐに追加できるように改善している。

 これによって、アプリの試用がさらに容易になった。

 このほか今回は、時間計算、カレンダービュー、おすすめグラフ、Skype連携、ルックアップフィールドへのテーブル設定、フィールドのグループ化、自分あて通知などの機能が追加されている。

(石井 一志)