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マネーフォワード、バックオフィス業務を自律遂行するAIサービス「Money Forward AI Cowork」
2026年4月8日 06:00
株式会社マネーフォワードは7日、AIが自律的にバックオフィス業務を遂行する新サービス「マネーフォワード AI Cowork」を7月に提供開始すると発表した。バックオフィス業務の遂行に特化したAIエージェントサービスで、「マネーフォワード クラウド」のラインアップの1つとして提供され、マネーフォワード クラウドとの連携が標準設定される。ユーザーはMCPサーバー導入や運用・保守等が一切不要で、専門知識がなくても利用できるという。
マネーフォワード 代表取締役社長 グループCEOの辻庸介氏は、「テキストや口頭で指示すると、後は複数のAIエージェントが立ち上がり、自動的・自律的に作業をしてくれる。当社では、これまで人がやっていた作業をAIがやってくれる世界を作っていこうとしている。AIエージェントがあなたの同僚としてバックオフィスを支える。これをどんどん実現していくと、自動化・自律化したバックオフィスが実現されていくことになる。当社はナンバーワンのバックオフィスAIカンパニーを目指す」と述べ、新サービス提供の狙いを説明した。
なお、利用料金は検討中。2030年度までに、AI関連の売上でARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)150億円以上創出を目指すとしている。
最適なエージェントを選んでバックオフィス業務を自律的に遂行するAIサービス
マネーフォワード AI Coworkでは、ユーザーが自然言語でAIエージェントに話しかけると、複数のAIエージェントを支える基盤となるオーケストレーターがユーザーの意図を解釈し、最適なエージェントを選んで機能させる。
サービスの特徴は、1)自然言語で複数のAIエージェントが連携し業務を完結、2)業務利用に最適化されたUX、3)エンタープライズ水準のガバナンス機能――という大きく3つだ。
1)の自然言語を利用し複数のAIエージェントが連携する機能により、ユーザーが音声もしくはテキストで、「今月の経理業務をまとめて処理して」といったあいまいな指示を行った場合でも、AIがユーザーの意図を解釈し作業を完結する。
請求書発行、支払依頼、入金消込、資金繰り予測など、複数のAIエージェントが並列・自律的に連携し、業務を完了まで進めてくれる。また、ユーザー自身が利用するAIエージェントを個別に選択することも可能だ。
「汎用的な生成AIサービスを利用している人は、音声やテキストで作業を行っていると思うが、マネーフォワード AI Coworkは、それらと同じ操作感で作業を進めることができる。複数のマネーフォワードアプリを利用している場合、個々のアプリを立ち上げ、ログインして作業を行ってきたが、自然言語で指示をするとAIエージェントが連携し作業を進めてくれる」(マネーフォワード 執行役員 ビジネスセグメントChief Product Officer(CPO)の廣原亜樹氏)。
2)の業務利用に最適化されたUXでは、チャット形式以外にも、定型業務を「エージェントリスト」から選択し、即座に作業を開始できるなど、業務効率を最大化するUXを採用している。AIエージェントから「今すべき業務」を提案するプッシュ型の機能や、社内のナレッジに回答するAIヘルプデスク機能も搭載する。
「汎用的な生成AIサービスは、日常で使われるAIエージェントクライアントだが、マネーフォワード AI Coworkは企業の業務で使うためのAIエージェントクライアント。 バックオフィス業務に最適化されたユーザー体験のための機能を入れている」(廣原CPO)。
具体的には、定型業務はメニュー化されており、「エージェントリスト」から選択するだけで、スムーズに作業を始められるという。また、エージェント側から業務提案を行う機能も搭載。定期業務や締め切り、他者からの依頼に基づき、エージェント側から「今すべき業務」を提案し、通知する。
バックオフィス業務に対しては、「請求書はどのように書けばいいのか」など、社員からさまざまな問い合わせが入ってくる。そこで社内AIヘルプデスク機能により、社員が業務上の不明点をいつでも質問し、解決できるように支援するとした。
3)のエンタープライズ水準のガバナンス機能では、AIが常に正しい社内ルールに従って動くための「ガードレール機能」を搭載。AIが作成した下書きを人間が確認し、その上で承認する「Draft & Approve」プロセスやAI監査ログを備えているため、中堅・エンタープライズ企業でも、安心して導入できるという。
「ガードレール機能は、AIエージェントが意図しない操作をしないようにコントロールする仕組みだ。AIが勝手にデータを更新したり削除したりといったことがあれば、安心して導入できない。そこで必ず、人間が確認した上で更新が走る制御がかかっている。AIがどんな操作をしたのか、ログをきちんと取り、それが後から見られる仕組みを用意したほか、どの権限で、どのデータまで扱えるのかについても、権限を非常に細かく設定できるようになっている。エージェントハーネスの基盤上でAI Coworkが提供されている」(廣原CPO)。
また、オーケストレーターが扱うAIエージェントは、マネーフォワードが用意したものに加え、外部のパートナー企業が開発したもの、ユーザー自身が開発した「マイエージェント」を組み合わせて利用できるようになっており、さまざまなAIエージェントが業務を遂行するオープンな設計を取り入れている。
なお、エンドユーザーによる利用のほか、会計士や税理士といった士業での利用も想定している。士業においては、代行業務やアドバイザリー業務の効率化・自動化のために利用することも可能だ。







