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日本マイクロソフト、中堅・中小企業のIT活用拡大狙う全国キャンペーンを開始、まずは東北から

 日本マイクロソフト株式会社は18日、全国の中堅・中小企業および自治体、教育・医療機関のIT活用を支援する「Discoverキャンペーン」において、第一回となるセミナーを宮城県仙台市で開催し、キャンペーン実施の狙いを報道陣に説明した。

仙台市の中心部にある東北支店で行われた第一回セミナー風景
セミナー会場では最新デバイスを展示

 Discoverキャンペーンは、現状では日本マイクロソフトがリーチできていない地方に多く存在する、中堅・中小企業のIT活用を促進する目的で展開され、以下の3点に注力する。

(1)日本全国で新製品体験セミナーを5万社の企業、自治体、団体を対象に展開
(2)マイクロソフトの支店、全国6拠点を活用した地域密着型パートナー施策の実施
(3)東北地域での経済復興支援活動の強化

 「中堅・中小企業は全国に420万社存在するといわれているが、大都市部に集中する大企業と異なり、地方に所在する企業が多く、どうリーチするか当社以外の企業もどうリーチするか、苦戦する企業が多い。特にモバイル、クラウドという新しい環境でのデジタルデバイド解消にどう取り組むのか、地域に密着した展開を行うことで、新しい需要を掘り起こしたい」(日本マイクロソフト 執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャの高橋明宏氏)。

Discoverキャンペーンの概要
キャンペーンの3つの柱
日本マイクロソフト 執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャの高橋明宏氏
今回のセミナーのテーマが書かれたフラッグ

 Discoverキャンペーンには、「勝機をつかむ、次世代の働き方。見つけましょう、一緒に。」というサブタイトルがついている。

 Windows 8、新しいOffice製品、パソコンだけでなく、スマートフォン、タブレット端末など多様化したデバイスとクラウドの利用することで実現する、新たなビジネスチャンスにつながることを提案。

 さらに、在宅勤務や子育て中の女性を登用するといった、新たな働き方を実現するような提案を、体験セミナーなどで呼びかける。

 セミナーの形式としては、今回開催したような日本マイクロソフト主催のものに加え、パートナー各社が主催するセミナー、日本マイクロソフトが主催するオンラインセミナーの3種類を用意。日本全国の5万社の参加を目標としている。

 現状では、仙台を皮切りに全国20か所でのセミナーを予定。日本マイクロソフトのホームページを通じ集客を行っているが、「これまでのところ、募集人数を上回る集客となっている」と集客は好調となっている。日本マイクロソフトの東北支店を活用したセミナー初日には、定数30人を上回る40人の集客があった。

 今回、日本マイクロソフトと共にキャンペーンを共催したインテルでは次のように話した。
 「昨年来、当社ではICT活用による『現場力』の向上を目標に掲げているが、現場で気がついたアイデアや実践ノウハウを共有し、さらに具体的な行動に落とし込むことが現実的には難しい。現場で起こる予想できない成功、失敗のログを取っていれば、新しい価値を見つける重要な手がかりとなる。現場力をあげるためには、見る、聞くに加え、『創る』ことが重要で、そのためのツールとして最適なのがWindows 8とUltrabookの組み合わせ。実際に常陽銀行で、地域密着の金融サービスを提供する際、電子債券用新サービスを、パソコンとセットで販売するといった、新しいビジネスを開始。これまでにはないビジネスも生まれている」(インテル 執行役員 ソフトウェア・サービス戦略本部の板越正彦本部長)。

地域密着型パートナー施策
インテル ソフトウェア・サービス戦略本部の板越正彦本部長

パートナーに向けて共同営業活動や情報提供を積極的に実施

 なお、今回、地域密着型パートナー施策を展開するにあたり、各地域のパートナーに向けて、日本マイクロソフトでは共同営業活動、支店施設の有効活用、自社内で活用してきた情報の提供を行う。

 東北地区では、北海道に拠点を置いて東北で営業活動行うところを含め、今回のキャンペーンでの共同展開に6社のパートナーが名乗りをあげている。

東北および北海道地域の現時点での賛同パートナー

 イベントでは、秋田県に本社を置く株式会社アイネックス、福島県に本社を置く株式会社エフコム、青森県に本社を置く株式会社ビジネスサービス、山形県に本社を置く株式会社YCC情報システムの4社が登場。

 それぞれ地域に密着してビジネスを行う中で、「ビジネスの中心が官公庁や学校で、民需開拓が難しい。地元企業は会社が生き残るための最低限のIT投資にとどまり、モバイル、クラウドといった提案の導入は厳しい状況にある。今回、日本マイクロソフトとの協業によって、新しい民需ビジネス拡大を実現したい」と意欲を述べた。

アイネックス ITサポート事業部 取締役事業部長の佐藤智好氏
エフコム 専務取締役の瓜生利典氏
ビジネスサービス 取締役青森支店長の斎藤寛勝氏
YCC情報システム 研究開発部の小沼博部長

 日本マイクロソフト側でも、「あと少しだけプッシュすれば獲得できるお客さまもあるのだが、当社の手が足りずに取りこぼしているケースが存在する。パートナー各社との連携により、この取りこぼしを獲得したい。今年度(2013年6月末)までに現在の各支店に携わる人材を倍増させて、マイクロソフトの顔が見える場所として支店を有効活用したい」(日本マイクロソフトの高橋執行役)と話している。

 また日本マイクロソフトのパートナーでも、モバイルやクラウドといった新しいテクノロジーを活用したソリューション提案を行った経験がないところが多いことから、日本マイクロソフト側でパートナーの再教育を行うことも、今回のキャンペーンの重要な施策としていく。

4社のパートナー企業と日本マイクロソフトの高橋氏、インテルの板越氏

(三浦 優子)