NTT Comのオブジェクトストレージサービスに「Cloudian」が採用

旧ジェミナイが提供するクラウドストレージ構築ソフト


クラウディアン 代表取締役の太田洋氏

 クラウディアン株式会社は29日、NTT Comが提供するパブリッククラウドサービス「Bizホスティング Cloud n」のオブジェクトストレージサービス「Object Storage」に、「Cloudian」が採用されたと発表した。

 クラウディアンは旧ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズ株式会社が2012年8月11日付けで社名変更した企業だ。主力製品「Cloudian」と社名を統一することで、ブランド認知の促進を目指す。

 「Cloudian」は、クラウドストレージ構築のためのパッケージソフト。特長は、「急速に成長し、エコシステムも発達、クラウドストレージの事実上の業界標準となっている」(クラウディアン 代表取締役の太田洋氏)というAmazon S3に高度な互換性を持つ点。

Cloudianの特長高度なS3機能+独自の追加機能が強み

 S3の基本的なAPI(Put/Get/Head/Deleteなど)に対応するだけでなく、大きなオブジェクトを分割して保管する「マルチパート・アップロード」や、オブジェクトの格納場所(リージョン)を指定する「ロケーション・コンストレイン」、オブジェクトへのアクセスを制御する「アクセスコントロールリスト」といった高度なS3 APIに対応する。

高度なS3 API例:マルチパート・アップロードロケーション・コンストレインACL

 また、独自機能も豊富に、格納データ量を無制限に拡張できる「バーチャル・バケット」、オブジェクトのサイズに応じて最適な格納先を選択する「HyperStore」、「利用量制御(QoS)」、「利用量レポート」などをそろえる。

独自機能例:公開URLアクセス格納データ量を無制限に拡張巨大オブジェクトも効率的に格納

課金設定利用量制御Zabbixによるモニタリング
各種クラウドに対応可能。クラウドストレージゲートウェイともスムーズに連携できる

 こうした機能により、多数のユーザー・グループが同時利用でき、無制限のデータ量に対応する。また、複数データセンターにデータを複製・分散配置する仕組みにより高い安全性を実現。異種混在の汎用サーバー上で動作するため、経済性にも優れるという。

 このほか、統計・課金・利用量制御・監視機能などのサービス提供基盤を表寿で提供するのも特長。また、社内ストレージのCIFS/NFSなどをS3のプロトコルへ変換するクラウドストレージゲートウェイが各社から提供されているが、こうした製品ともスムーズに連携できるという。

 NTT Comが提供する「Bizホスティング Cloud n」は、月額上限額945円からの低価格を特長とし、豊富なAPIで拡張性が高くソフトウェア開発者やコンテンツプロバイダなどに最適なパブリッククラウドサービス。2012年3月30日に仮想サーバーを時間課金で提供するサービスも開始し、オートスケール機能、CDN連携機能を順次追加。その流れで今回、オブジェクトストレージの提供に至った。サービス自体は10月23日よりスタートしている。

ニフティクラウドストレージでの採用事例今回の発表内容。NTT Comでの採用事例
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