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オブジェクトストレージ「Cloudian」、AWS環境との自動階層化が可能に

 クラウディアン株式会社は25日、Amazon Web Services(AWS)のAmazon S3 APIとの互換性を持つオブジェクトストレージ環境構築ソフト「Cloudian」を強化すると発表した。Amazon S3、およびAmazon Glacierへのデータ自動階層化機能を追加し、新バージョン「ver3.1」として3月初旬より提供する予定。

 Cloudianは、x86サーバーを利用し、Amazon S3 APIと互換性があるオブジェクトストレージを構築できるソフト。Amazon S3を利用するアプリケーションや製品であれば、Cloudianが生成するアクセスコード、セキュリティコードを入力し、格納先をAmazon S3からCloudianに向けるだけで、Cloudianオブジェクトストレージにデータを格納できるようになるという。

 今回提供する自動階層化機能では、オンプレミス環境のCloudianプライベートクラウドに格納したオブジェクトを、指定期間経過後、自動的にAmazon S3/Glacierに移動し、階層化できるようになる。ユーザーはバケット単位で、オブジェクトをCloudianプライベートクラウドに格納するか、AWS環境に格納するかを選択可能。また、格納データの読み出し(リストア)もCloudian側の操作で行い、使用料金もクラウディアンが請求するとのこと。

 企業にとっては、機密保持やコンプライアンス要件に基づく自社の情報管理ルールに適合するよう、利用者限定のプライベートクラウドと、不特定多数利用を前提にするパブリッククラウドを使い分けられる点がメリット。また、処理性能を求めるデータは企業構内のCloudianプライベートクラウド、長期保管を目的とするデータは低価格のアーカイブストレージサービスであるAmazon Glacierといったように、データの目的や種類に応じて格納先を階層化できるため、コストの最適化も実現するとしている。

石井 一志