IDC Japanの国内ITサービス市場予測、2012年は4兆9229億円で4年ぶりのプラス成長
IDC Japan株式会社は15日、2016年までの国内ITサービス市場規模予測をアップデートした。2012年における同市場の支出額は4兆9229億円で、前年比1.6%の増加。開発案件の増加を背景に、4年ぶりのプラス成長に転じた。
2013年以降も国内ITサービス市場はプラス成長を続け、2016年は5兆2843億円規模に拡大するとの予測だ。ただし、欧州債務危機や中国・インドなど新興国経済の成長鈍化、2014年以降に予定される消費増税の影響などもあり、国内企業におけるITサービス支出に対する慎重姿勢が続くとみている。2011年~2016年の年間平均成長率は1.8%にとどまり、リーマンショック前の2008年の市場規模を回復するには2016年までかかるとしている。
IDC Japanによると、国内ITサービス市場の回復をけん引しているのは、製造業の基幹システム更新投資や通信事業者のスマートフォン関連ネットワーク/システム投資など。一方で、金融業全体では回復が遅れているという。サービスセグメント別ではSIなどが回復すると同時に運用需要も生まれており、また、ITアウトソーシング市場も成長基調にあるが、運用価格の低迷もあってITアウトソーシング市場の回復は緩やかだとしている。
今回発表した市場規模予測はは、IDC Japanが発行したレポート「国内ITサービス市場 産業分野別 2011年の実績と2012年~2016年の予測:2012年上半期アップデート」で詳細を報告している。同レポートでは、国内ITサービス市場を12セグメント、18の顧客産業分野別に分類して市場規模を予測している。