国内ITサービス市場、4年ぶりにプラス成長も回復は鈍化傾向へ~IDC予測
IDC Japan株式会社は5日、国内ITサービス市場予測を発表した。2012年の同市場は前年比1.6%増と4年ぶりにプラス成長を回復し、市場規模は4兆9238億円になる見込み。2016年には5兆2817億円となり、2011年~2016年の年間平均成長率は1.7%と予測する。
2009年以降、リーマンショック後の景気後退、東日本大震災、タイの洪水、円高などさまざまな経営環境変化に見舞われた国内企業は、ITサービス支出を抑制してきた。が、2011年後半になると、製造業を中心にITサービス支出の回復が見られるようになった。中心となったのはシステム公開案件の再開やインフラの最適化、BC/DR(事業継続/災害復旧)に対する投資だ。2012年に入ってもこの傾向は継続しており、国内ITサービス市場は2012年には前年比1.6%増の4兆9238億円になると予測する。
ただし、この支出回復は過去3年のマイナス成長に対する反動といった側面が強く、企業が新たな戦略投資を国内向けに増やしているとは言い難い状況にある。さらに欧州債務危機などのため国内景況感は悪化傾向にあり、2012年後半になると回復は鈍化すると見られる。
2013年以降も1%台後半の低い成長率にとどまるとみられるが、これはクラウドのような低価格ソリューションの利用拡大、IT支出の海外シフトの加速といった傾向が強まっていくためとのこと。
また、2016年には5兆2817億円になると予測しており、これでようやくリーマンショック以前の規模を回復することになるという。