日立、Nicira製品を利用したデータセンター向けネットワーク仮想化ソリューション


 株式会社日立製作所(以下、日立)は2日、ネットワーク仮想化ソフト「Nicira Network Virtualization Platform(NVP)」を提供する米Niciraと販売代理店契約を締結したと発表した。日立では、NVPを用いたネットワーク仮想化ソリューションを7月3日より提供する。

 日立が提供するネットワーク仮想化ソリューションは、物理的なネットワーク構成に依存しない、柔軟かつ効率的なネットワーク環境を構築できるソリューション。物理ネットワーク上に仮想ネットワークを重ねる「オーバーレイ」方式でのネットワーク仮想化を実現するNicira NVPを用いて、物理的なネットワーク構成に依存せずに、ネットワークの論理構成を柔軟に変更できるようにする。

 具体的には、Nicira NVPの構成要素であるコントローラクラスタが、仮想サーバーのハイパーバイザーと連携し、仮想サーバー間を論理的に接続して、論理ネットワークを構築。仮想アドレス管理などネットワークの設定管理も一元的に行えるようになる。またライブマイグレーション時にも、物理ネットワークの設定を変更せずにネットワーク接続変更を自動で行えるようになるとのこと。

 サービスメニューとしては、データセンター向けに導入コンサルティングからシステム構築、保守サポートまで、ネットワーク仮想化環境の構築を支援するトータルソリューションを提供する。また、Nicira NVPを活用した論理ネットワーク構築だけでなく、ルータやスイッチなどの物理ネットワークやサーバー、ネットワーク運用管理のためのミドルウェアなど、日立グループが持つネットワーク製品をトータルに提供し、データセンターでの最適な仮想ネットワーク環境構築を支援するとした。

 また物理ネットワークシステムには、日立電線のスイッチ「Apresia15000」を用いる「BoxCore Fabric System」を採用した。BoxCore Fabric Systemは高い信頼性や運用効率を持つほか、小規模から大規模までシステムの規模に応じて増設できるので、高い拡張性とコストの抑制を実現。加えて日立電線とNiciraは、BFSを構成する各スイッチに効率よくトラフィックを分散させるマルチパス技術を共同開発しており、システムの経路変更やスイッチの故障時にもサービスを停止することなく運用を継続できる点も、仮想ネットワークのインフラとして適しているとのことだ。

 このほか、ルータにはアラクサラの「AX8600Rシリーズ」などをあわせて提供し、ネットワーク仮想化に最適化された物理ネットワーク環境を提供するとしている。

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