デル、50~200の仮想マシンを収容できるプライベートクラウド構築アプライアンス
Dell vStart |
デル株式会社は28日、プライベートクラウド構築アプライアンス「Dell vStart」を発表した。仮想環境構築に必要なコンポーネントをそろえた上で、ケーブリングや必要な設定を済ませた上で出荷するため、迅速にプライベートクラウド環境を導入できるという。
Dell vStartは、プライベートクラウド環境を迅速に導入できるアプライアンス製品。x86サーバー「PowerEdge」のラック型、ネットワークスイッチ「PowerConnect」、iSCSIストレージ「EqualLogic」といったハードウェアをそろえた上で、ケーブリングを済ませ、ラックにあらかじめ組み込んで出荷するほか、必要な設定が完了しているため、導入後すぐに仮想環境の展開が可能になるという。
アプライアンス化によるメリットとしては、マーケティング本部サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏が「Dell vStart提供は、お客さまの迅速なビジネス展開を支援するのが目的で、そのために、VMwareやMicrosoftに認定された、仮想環境の典型的な構成パターンをパッケージングして提供する」と説明する通り、ユーザー側の負担が軽減される点にある。
デルが手がけた仮想化案件のノウハウが盛り込まれており、あらかじめ動作検証、最適化作業が行われた状態で出荷されるため、機器の選定、システム設計、導入作業などにかかる時間と手間を大幅に短縮可能なのだ。
また、大規模環境を対象に提供されている他社の仮想化向けアプライアンスと異なり、仮想マシン50台まで、100台まで、200台までをサポートする3モデルが用意された点も、デルならではの特徴という。
布谷氏は「数千の仮想マシンが存在するような、本格的に構築する規模ではアプライアンスはそのまま使えず、当社の提供しているアセスメントサービスなどが必要になるだろう。50~200という仮想マシン数は、アプライアンスとして仮想環境を展開するスイートスポットと思っており、そこに向けて、拡張性が高く、しかしブレードサーバーなどを使わずに、ロックインしないハードウェアで構築するのがDell vStartのポイントだ」と、この製品の特徴を説明した。
マーケティング本部サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏 | Dell vStartの概要 |
加えて、単一のハイパーバイザーを対象としているのではなく、VMware向け、Hyper-V向けを提供するのも特徴とのこと。運用管理についても、VMware向けではvCenter用のプラグイン、Hyper-V向けではSystem Center用のプラグインを提供するので、専用の管理環境は必要なく、スムーズな導入を可能にしているとした。
導入対象としては、「まったく仮想化を使っていないお客さまや、現在導入していないハイパーバイザーの導入を検討しているお客さまへの提案を行いたい」(布谷氏)とのこと。
参考価格は、仮想マシン50台までのVMware用「Dell vStart 50v」とHyper-V用「同 50m」が1456万688円、100台までのVMware用「同 100v」とHyper-V用「同 100m」が1956万7022円、200台までのVMware用「同 200v」とHyper-V用「同 200m」は3068万4598円。
なおHyper-V用はWindows Server 2008 R2 Data Center Editionを搭載し、初回のデプロイメントサービスをバンドル。VMware用はvCenterの60日間トライアルライセンスをインストール済みで、管理コンポーネントであるDell Management Plug-In for VMware vCenter、Dell EqualLogic HIT/VE Plug-In for VMware vCenterと初回のデプロイメントサービスがバンドルされている。
Dell vStartのアーキテクチャ | ハードウェアコンポーネント |