FJM、富士通初の中堅中小企業向けの統合基幹ソリューション「GLOVIA smart きらら 販売」


GLOVIA smart きららのターゲット

 富士通株式会社および株式会社富士通マーケティング(以下、FJM)は21日、販売管理ソリューション「GLOVIA smart きらら 販売」を10月より販売開始すると発表した。同社では、「これにより、富士通では初となる中堅中小企業向けの統合基幹ソリューションを提供できる」としている。

 販売管理業務に必須となる販売、購買、債権債務、在庫管理、外部取引先連携など、18種類の機能を標準搭載。クラウドや仮想化環境にも対応しているため、顧客の運用ニーズやBCP(事業継続計画)対策に応じて導入形態の選択が可能であるほか、システム拡充を柔軟に行うための新たなアーキテクチャを採用しているのも特徴となっている。

 富士通 民需ビジネス推進本部の山田淳子シニアディレクターは、「今回の新製品と同じ基盤を採用しているGLOVIA smart きらら 会計や、GLOVIA smart きらら 人事給与と連携することで、統合業務パッケージとしてデータの統合管理や、企業活動の見える化を実現。GLOVIA smart きららシリーズの製品強化により、中堅・中小企業をICTで支援していく」とした。

 富士通では、大手企業向けの経営管理ソリューションである「GLOVIA SUMMIT」、中堅企業向けの業種・業務ソリューションである「GLOVIA smart」に加え、今回の中小企業までをカバーする「GLOVIA smart きらら」によって、すべての領域において、統合基幹ソリューションを提供することになる。


富士通 民需ビジネス推進本部の山田淳子シニアディレクターGLOVIAシリーズのラインアップ拡大するGLOVIA smartラインアップ

 FJM ソリューション事業本部・鈴木俊久本部長は、「GLOVIA smart きららは、パートナーやほかの製品との連携を大切にしながら、統合基幹パッケージとして進化させることができた。企業の成長にあわせて、継続的にシステムを活用していく仕組みを取り入れている」とした。

 網羅性の高い業務フローを標準装備。必要な業務プロセスを容易に選択。業務プロセスがツリー構造表示され、視覚的に設定が可能であるほか、専用開発ツールを並行して開発。さらに、業務ロジックがOSやシステム制御の影響を受けにくい構造を採用しているのが特徴。

 「専用開発ツールを活用することで、短期間に高品質なシステムの開発が可能になる。また、業務ロジックを基本部とカスタマイズ部に分離することで、資産を容易に継承できるという特徴がある。パッケージにカスタマイズを行うと、バージョンアップ時に資産を継承できず、再度カスタマイズへの投資が必要になるといったこれまでの課題が解決できる」(FJM GLOVIA smartきらら事業部・金子裕美部長)という。加えて、プライベートクラウド環境での利用を可能としており、「クラウド対応の製品も、今年10月の製品出荷時点で提供が可能になる」(金子部長)とした。

 なお、自社導入のバックアップデータを遠隔地のデータセンターで管理できるほか、将来的にはデータセンターで運用したりすることも計画。BCP対策としてのクラウド活用のほか、SSL通信によって情報漏えいに対する防止策も施しているという。

 さらに、細業種テンプレートを提供する予定で、2013年度には食品卸テンプレート、2014年度には機械器具卸テンプレートを用意。20種類の細業種テンプレートを提供する計画。また、専用開発ツールにより、開発ルールが定型化されることから、富士通パートナー間でのテンプレートの流通が可能になる。金子部長はこれについて「別のパートナーが開発したテンプレートを他社が利用できる仕組みを構築。これを全国規模で流通できるようにする」と述べた。また、連携アダプタにより、外部システムとの連携も可能になる。


FJM ソリューション事業本部・鈴木俊久本部長GLOVIA smart きらら 販売の特徴業務マップ
システム構造専用開発ツール

 一方、販売に関しては、全国500社の富士通パートナーを通じて販売。さらにパートナー製品と組み合わせた最適なソリューションを提供する体制を構築する考えで、業種、業務に特化したエキスパートSEや、全国60カ所の富士通およびパートナーのデータセンターを活用するという。

 このほか、パートナーの営業活動を支援するために、拡販ツールの提供に加えて、FJMで実践してきた投資対効果提案スキルをパートナーと共有。定期的な技術交流会を通じて、全国のパートナーSEとの情報共有のほか、2013年度を目標に、パートナーにおける導入・開発技術者を100人育成。これを2014年度には250人に拡大する計画とした。

 GLOVIA smart きらら 販売の価格は、スタンダード版の1サーバーライセンスが150万円から、同1ユーザーライセンスが5万円から。また、エントリパックは90万円からとなっている。また、データセンターを活用した月額利用料金も別途設定する予定で、「パートナー向けの料金設定を含めて、現在検討中」とのこと。

 これまでGLOVIA smart きららは、400本の販売実績があり、SaaSでの導入が多いというが、富士通およびFJMでは、今後3年間でさらに1000社への導入を計画している。


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