アラクサラ、100GbEにも対応した通信事業者向けの次世代エッジルータ「AX8600Rシリーズ」


 アラクサラネットワークス株式会社(以下、アラクサラ)は5日、100Gigabit Ethernet(GbE)をサポートした通信事業者向けエッジルータ「AX8600Rシリーズ」を発表した。予定価格は3575万円からで、2012年下期の出荷開始を予定する。


AX8600Rシリーズは3つのラインアップを用意する。左から、AX8608R、AX8616R、AX8632R

 AX8600Rシリーズは、100GbEをサポートするとともに、業界で最高密度という回線収容力を実現したシャーシ型のエッジルータ。多数の回線が集中し、多様なサービスを収容するエッジ部分の大容量化と収容効率向上などに対応するという。

 具体的には、16Uサイズの場合、最大384ポートの10GbEポートを搭載可能。最大6.4Tbpsの容量を持つバックプレーンは、将来10Tbps以上へ拡張される予定で、今後実用化が予想される400Gbps/1Tbpsの回線インターフェイスにも対応可能という。

 さらに、高速なデータ転送を実行するフォワーディングエンジンと、機能追加が可能なプログラマブルエンジンとの協調動作による「ハイブリッドエンジンアーキテクチャ」を採用。これによって、新たなサービスやプロトコルが必要になった場合にも、性能を劣化させずに実装できるとのこと。また、付加機能を実装可能なサービスモジュールカードの搭載により、高度なセキュリティ機能などの追加にも対応する。

 インターフェイスについても、既存設備で使用されているGbE回線と、今後の増設や大容量化に伴って普及してくる10GbE回線など、異なる回線を効率よく混載して収容するマイクロラインカード構造を採用。1/4スロットサイズでインターフェイスカードを増設できることから、混載による無駄が少なく、段階的な容量増設の際にも設備投資効率が改善できるとしている。

 可用性については、従来はソフトウェア処理で行っていた冗長切り替え処理の一部を、新開発のハードウェア、プロトコルアクセラレータにオフロードし、高速切り替えを実現した。電力面でも、現行のAX7800Rシリーズに比べ、10GbEラインカードの1ポートあたりの消費電力を半減。必要なときに必要な部分へ適切に電力を供給する「ダイナミック省電力」、通信トラフィックの量に応じて、よりきめ細かに電力を調整する「フレックス省電力」といった省電力機能を搭載する。

 なおアラクサラでは、6月13日から15日まで、千葉県の幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2012」において、この製品のデモ展示を行うとのこと。

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(石井 一志)
2012/6/5 13:59