オープンソースベースのインメモリデータグリッドソフト「AcroMUSASHI DataGrid」


 Acroquest Technology株式会社は30日、Javaを用いたKey Value型のインメモリデータグリッドソフト「AcroMUSASHI DataGrid」を販売開始すると発表した。

 AcroMUSASHI DataGridは、オープンソースソフトのデータグリッドプラットフォームであるInfinispanをベースに開発されたインメモリデータグリッドソフト。複数のサーバーで仮想的なメモリ空間を作りだし、システムで利用するデータをそこにキャッシュすることで、高速な読み書きを実現する。データはメモリ内に保存されるので、保存、取得がデータベースやファイルに対するアクセスと比べて非常に高速であり、既存システムの応答時間を改善できるという。

 また、キャッシュノードを追加すればメモリ空間をリニアに拡張できる点も特徴。スケールアウト型のアプローチにより、システムの成長にあわせてキャパシティを増強していける。さらに、キャッシュしたデータはクラスタ内の別ノードへ自動バックアップされるので、クラスタ内のノードで障害が発生した場合にも、バックアップからデータを自動復旧できるとした。

 さらに、Java標準のMap APIを拡張しているため、キャッシュの保存(put)、取得(get)処理の実装が容易であり、短期間でのシステム適用が可能な点も特徴。並列分散実行処理フレームワークにより、クラスタのノードを利用した並列分散処理を実行できるほか、並列分散実行処理フレームワークの一つとしてMapReduceを利用するも可能だ。

 なお、Acroquest Technologyが開発する「ENdoSnipe」を組み込んでおり、データグリッドを構成するキャッシュノードの監視に対応。ノードのオブジェクトエントリ数、キャッシュヒット率、CPU使用率、メモリ使用率、Java GC実行時間を監視し、システムの負荷状況の分析や、運用に即したシステムのリソースチューニングを行えるとしている。

 価格は、コアあたり120万円。なお同社では、AcroMUSASHI DataGridを用いたデータグリッド構築サービスや、システム構築のコンサルティングサービスも提供する。


ENdoSnipeによる監視画面イメージ
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(石井 一志)
2012/5/30 17:24