F5ジャパン、「BIG-IP」にアプリ配信最適化機能などを追加~SPDYプロトコルのゲートウェイ機能を提供


 F5ネットワークスジャパン株式会社(以下、F5ジャパン)は23日、アプリケーションデリバリコントローラ(ADC)「BIG-IP」にアプリケーション配信最適化機能を追加したと発表した。HTTPを拡張した新たなプロトコル「SPDY(スピーディ)」にADCベンダーとして初めて対応したという。なお新機能は、6月下旬より提供予定のBIG-IP ver11.2から利用できる。

 今回サポートされたSPDYは、HTTPを拡張した新しいWeb高速化プロトコル。単一の接続で複数のリクエストを受け付けられるほか、デフォルトでのヘッダ圧縮、ChromeやFirefoxなどの対応Webブラウザからのリクエスト優先順位付けといった機能を利用することで、Webページの読み込み速度を、HTTPと比べて50%短縮するという目標が掲げられている。

 しかしこれまでは、SPDYを利用するためにWebサーバーを更新する必要があったため、導入へのハードルが高いという問題があった。今回の機能強化により、SPDYによるリクエストをHTTPに変換する機能をBIG-IPが備えたため、既存のWebアプリケーションサーバーをそのまま利用しながら、SPDYへの対応が可能となり、SPDY利用へのハードルが大幅に低くなったとのこと。

 また、モバイル/リモートユーザーに対する画像最適化、CSSオブジェクトのバージョン編集、Webページ表示の優先順位付け(コンテンツのリオーダリング)などの機能を新たに搭載。これにより、モバイル端末ユーザーのユーザーエクスペリエンスを向上させたとのこと。特に画像最適化については、ユーザーのアクセス環境を認識した画像の最適サイズへの調整、不要なメタデータの削除、画像フォーマットの変換などを実行することにより、画像容量を最大で50%まで圧縮できるため、ページのロードにかかる時間や、使用帯域、コストを削減できるとしている。

 このほか、F5 Enterprise Manager Centralized Analytics Moduleによって、クラウド/オンプレミスを問わず、ユーザー/アプリケーション/ネットワークのコンテキスト全体やパフォーマンスを可視化する機能を備えた。状況把握を簡素化することで、インフラ更新や運用管理のコストを削減でき、追加のエージェント/コード/サーバーを導入することなく、ハイブリッドクラウド環境や複数のデータセンターにまたがるアプリケーションのパフォーマンス監視を効率化するとしている。

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