日立、東北大学金属材料研究所に300TFLOPSの新スパコンを納入


 株式会社日立製作所(日立)は26日、国立大学法人東北大学金属材料研究所へ、物質・材料設計分野研究用の新スーパーコンピューティングシステムを納入し、4月16日より稼働開始すると発表した。

 新システムは、同分野の国内研究機関としてはトップクラスとなる300テラフロップスの総合理論演算性能を持ち、従来システムの約40倍の性能になるという。同研究所では新システムを活用し、太陽光発電のソーラーパネルや燃料電池などの新規材料設計による新エネルギー創成と環境問題の解決に向けた研究を加速させる考え。例えば、燃料電池用電極の理論設計の研究においては、第一原理シミュレーション計算にかかる時間が10分の1程度に短縮されるなど、研究のさらなるスピードが期待される。

 新システムは、日立の科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバー「SR16000モデルM1」を採用。同サーバーは1ノードあたり980.48ギガフロップスの性能を有し、システム全体で300テラフロップスの性能を実現する。また、ストレージシステムには、ミッドレンジディスクアレイ「Htachi Adaptable Modular Storage 2500」を採用し、1.435ペタバイトの大容量ディスクにより、大規模分子設計における分子軌道計算途中結果といった大容量データの保存も可能にしている。

 今後について、同研究所では、新システムによる材料設計シミュレーション研究を推進し、物質・材料の学術研究ならびに応用研究の世界的中核拠点の1つとして、研究の高度化と社会への還元に資する役割を果たすとする。

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(川島 弘之)
2012/3/26 15:16