宮城学院女子大、被災した教育用PC150台をXenDesktopで仮想化


 株式会社ネットワールドは14日、宮城学院女子大学が150台の教育用PCを「Citrix XenDesktop」で仮想デスクトップ化したと発表した。2011年5月より本稼働を開始。構築はネットワールドのパートナーであるリコージャパン株式会社が担当した。

 仙台市・青葉区にキャンパスを構える同校では、研究・教育のIT化を積極的に推進しており、校内3カ所の情報教室に約300台のクライアントPCを導入して講義などに活用してきた。しかし、2011年3月11日の東日本大震災により、これらの約半数が壊滅的な被害を受け使用停止に。復旧するにあたり、大量のPCの運用管理負担増、情報セキュリティの強化といった課題も同時に解消すべく、デスクトップ仮想化に踏み切った。

 今回仮想デスクトップ化されたのは、同校の情報教室に設置された150台の教育用端末。クライアント環境をXenDesktop上に集約し、従来使用していたPCをシンクライアント端末に置き換えることで、運用管理を効率化。無許可のソフトをインストールできないようにすることで、セキュリティも向上した。消費電力も約55%削減。教室内の温度上昇も抑えられ、空調費用の削減にもつながったという。

 また、教育・研究活動においては、動画や音声などのマルチメディアコンテンツを利用することも少なくないが、XenDesktopには、高品位なユーザー体験を提供する「HDXテクノロジ」が搭載されており、こうしたニーズにも対応。同校でも事前の検証作業において、情報教室内の全クライアントから一斉に動画サイトにアクセスするテストを行ったが、どの端末も問題なく動画を再生できたとしている。

 今後、破損を免れた残りのPCについても、段階的にデスクトップ仮想化を進める予定。将来的には図書館や大学事務局に設置されているPCなどの教育用以外の端末にも適用を検討し、さらなる業務効率化とセキュリティ向上を目指す方針という。

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(川島 弘之)
2012/2/14 12:47