河合塾、大学合格可能性判定システムを富士通クラウドで構築


 富士通株式会社は17日、学校法人河合塾の大学合格可能性判定システムの基盤をパブリッククラウド「FGCP/S5」で刷新したと発表した。同システムは、大学入試センター試験(以下、センター試験)後に受験生が自己採点結果を入力すると、合格可能性の判定を行うもの。河合塾は1月18日より、新基盤による合格可能性判定サービスの提供を始める。

 河合塾は受験生向けの合格可能性判定サービスを、センター試験の3日後から3月末日まで提供している。同システムは期間限定で稼働し、最初の1週間にアクセスが集中する需要変動型のシステムで、これまではセンター試験の時期に合わせて、レンタルサーバー30台を名古屋市内のデータセンターと東京都内の拠点に設置してサービスを提供。期間後はシステムを退避しレンタルサーバーを返却していた。

 今回、パブリッククラウド「FGCP/S5」によってシステムを刷新。FGCP/S5は、サーバー・ストレージ・ネットワーク・ミドルウェア・サービスマネジメントなどを結集したクラウドプラットフォームで、必要なインフラをネットワーク経由でオンデマンドに利用できる。

 FGCP/S5でシステムを構築することで、河合塾はレンタル機器を一時的に保有する必要がなくなり、アクセス状況に応じて必要な分のリソースを従量課金制で利用できるようになる。また、ポータルサイトメニューからシステム構築・変更や稼働状況のモニタリング、仮想マシンの起動・停止、バックアップ・リストアなどの運用を遠隔操作できるようになる。

システム概要

 従来、同規模のシステム構築には機器の手配などで3カ月を要していたが、今回は構想からわずか1カ月で構築を完了。集中アクセスに耐え得る可用性とともに、事業継続性(災害対策、セキュリティ)を強化し、トータルでの運用コストも22%削減できたという。

 今後、河合塾は大学合格可能性判定システム以外においても、ICTの刷新、事業継続性の強化を進める予定で、富士通がさまざまな付加価値を創出するICT環境を提案していく。

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