Cstap、シンプルに使い勝手にこだわった「安否確認サービス」
トップ画面。現在配信されている一斉メールの内容などが分かる |
サイボウズスタートアップス株式会社(Cstap)は8日、「安否確認サービス」の提供を開始した。シンプルなクラウド型安否確認サービスで事業継続を支援する。
「安否確認サービス」は、災害時に従業員にメールを一斉配信し、安否確認・情報集計・対策指示を可能にするクラウドサービス。従業員は受け取ったメールからアンケートページへアクセスし、「無事」「負傷」といった項目に答える。
特徴はシンプルな機能にこだわった点。サイボウズ製品が次第に高機能化する中で、Cstapのサービスでは敷居の低さを重視している。安否確認は日常的に使うものではないため、いざというとき迷わず使えるよう、インターフェイスはサイボウズ製品と共通化したのも特徴だ。
同サービスでは「システム管理者」「危機管理責任者」「マネージャー」という3つの管理者を分け、メールの一斉配信を行えるのは「危機管理責任者」だけといったように職務分掌を実現している。
利用の流れとしては、まずシステム管理者が各管理者のロール設定やユーザーの初期登録を行う。ユーザー登録は、サイボウズ ガルーンのフォーマットと同じユーザー情報をCSVで読み込み可能。緊急連絡先は従業員に登録メールを定期的に配信し、連絡先が変わった場合は従業員自らが変更。プライベート情報として取り扱い、管理者であっても見られないようにしている。
次に危機管理責任者がメール内容とアンケートの設問フォームを登録する。地震や台風など状況に応じたテンプレートとして作成しておくことで、緊急時に即座にメール配信が行える。また、管理する地域・部署も独自に登録可能。東京・大阪・名古屋といった地域別や23区ごと、部署ごとにユーザーを分類しておき、メールの一斉配信先を柔軟に指定できる。
メール内容とアンケートの設問フォームをテンプレートとして登録しておく |
実際の有事には、危機管理責任者が対象へ一斉配信。従業員のモバイル端末などにメールが届くので、アンケートページにアクセスして回答する。ユーザーのID・パスワードをサーバー側に登録しておくことで、従業員がアンケートに答える際にいちいち入力せずに済むダイレクトログインを採用するなど、細かい利便性にもこだわった。
マネージャーには回答集計ページの案内が送られる。回答結果を自動集計し、全体はもちろん地域別・部署別などでサマリー表示される。サマリーから各項目をクリックして絞り込みすることも可能。未回答者の一覧も表示され、ワンクリックでメールを再送信する機能も備える。全体を把握した後は、サイボウズ製品同様の使い勝手で緊急メッセージや緊急掲示板による情報伝達が可能。
集計画面。項目は自由にカスタマイズできる | 緊急掲示板画面 |
価格は初期費用0円。利用料は50名で月額7980円から。サイボウズ製品の既存ユーザーには月額6980円からの優待価格で提供する。また、99%の高稼働率保証とメールの優先配信を付加した「プレミアムサービス」(機能的な差はない)も用意。利用料は50名で月額9980円から。優待価格が月額8980円から。なお、導入前には機能チェックや緊急連絡テストなどが無償トライアルとして提供される。同社では、2012年末までに200社の採用を目指す。
今後は、マルチデバイス対応、通信手段の多様化(ソーシャルメディアによる一斉通知など)、システムの安定性向上、低価格化、サイボウズのPaaS「Kintone」との連携などを目指して開発を継続する。
なお、Cstapは起業家になりたいとチャレンジを考えている人を支援し、クラウドサービスやスマートフォンを利用した新たなサービスを展開することを目的に、2010年8月2日に設立された。開発したサービスはいずれ法人化を目指し、開発、販売マーケティング、財務・法務などの業務をCstapが代行する。安否確認サービスのほか、現在、ルート営業用報告書サービス、ソーシャルToDoサービス、面接支援サービスなどのプロジェクトが進行している。