CTC、SINET4のユーザーにクラウド型メールサービス「A-Cloud Mail」を提供


 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は6日、同社の教育機関向けクラウドサービス「A-Cloud Mail」が、国立情報学研究所(以下、NII)が構築・運用する学術情報ネットワーク「SINET4」の加入機関向けサービスとして、民間企業で初の承認を受けたと発表した。CTCではこれを受け、SINET4加入大学研究機関に対し、SINET4経由のA-Cloud Mailを12月より提供開始する。

 SINET4は、日本全国の大学・研究機関に向けた学術情報基盤として、4月に本格稼働を開始した情報通信ネットワーク。教育・研究に携わる人々のコミュニティ形成を支援し、学術情報の流通促進を図るために、全国700以上の大学、教育機関が利用しているという。

 こうした動きの中でNIIでは、加入機関のさらなる利便性向上を目的として、クラウドサービスを提供する企業などを「サービス提供機関」に位置付け、SINET4加入大学研究機関へのアプリケーションやクラウドサービスなどの提供のため、同ネットワークへの接続を認める制度を開始していた。

 CTCは、A-Cloud Mailの実績をもとにこの申請を行い、8月にサービス提供機関として承認を受けたもの。A-Cloud Mailは、教育機関の利用形態に特化したメールサービスで、従来は通常のインターネット経由でのパブリッククラウドサービスとして提供されてきたが、今回より提供される有償の「A-Cloud Mail SINET4接続オプション」を利用すると、よりセキュアな環境でメールサービスの利用が可能になる。

 なおサービス提供にあたり、SINETとクラウドサービスを提供するCTCのデータセンターを1Gbpsの専用線で接続しており、ユーザーはこの回線を共有してサービスを受ける。このため、単独で専用線を利用する場合と比べて、通信費用を最大8割削減できるとのことだ。

 なお「A-Cloud Mail SINET4接続オプション」はすでに、東京農工大学での採用が決まっており、1万1000ユーザーが12月より利用開始するとしている。

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