東芝Sol、安全性高めたクラウドサービス向け「再暗号化技術」を開発


 東芝ソリューション株式会社は9日、クラウドサービス向けの次世代暗号技術「再暗号化技術」を株式会社東芝と共同で開発。同技術を用いて、常に暗号化したままデータ共有が可能なクラウドストレージを発表した。

 クラウド上に保管するデータの漏えい対策として「暗号化」が利用されている。しかし、データ共有サービスのように重要なデータをクラウドストレージに保管して共有する場合、共有メンバーの変更ごとに保管データを暗号化し直し、鍵を再配布する必要があり、安全性と利便性で課題があった。

 そこで「再暗号化鍵」と呼ばれる特殊な鍵を用いることで、あるユーザー向けの暗号文を別のユーザー向けの暗号文に、暗号文のまま(復号することなく)変換できる「再暗号化技術」の研究・開発が進められている。この技術を使うと、データ共有サービスにて共有メンバーが変わっても、データをダウンロードする際に再暗号化して配信するだけで、わざわざ復号しなくても共有メンバーの追加・削除にも柔軟に対応できるという。

 今回開発した「再暗号化技術」では独自のアルゴリズムを用いて、「再暗号化鍵」の偽造が容易という課題に対して、偽造のしにくさを実現。同技術により、共有メンバーの追加・削除が容易な利便性と、鍵の漏えいの心配がない安全性を両立したクラウドストレージを実現した。

 今後、既存のパブリッククラウドサービスにも適用可能な暗号化サービスとして、2011年度中のサービス化を目指すとしている。

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(川島 弘之)
2011/11/9 15:04