NEC、2015年度にサーバー出荷を50万台へ~海外生産を加速し、海外出荷比率を50%に拡大
NEC 山元正人執行役員常務 |
NECのサーバー「Express5800/GT110d」 |
日本電気株式会社(NEC)は、2015年度までにPCサーバーの出荷台数を50万台規模に拡大し、そのうち海外出荷比率を50%にまで引き上げる方針を明らかにした。
2010年度のPCサーバーの出荷実績は約14万台で、3倍以上に拡大することになる。
プラットフォームビジネスユニットを担当するNECの山元正人執行役員常務は、「サーバービジネスの収益拡大には規模の追求が必要。年間50万台規模となることで、ヒューレット・パッカードやIBMなどの世界の大手サーバーベンダと戦えるポジションに到達する。国内市場での事業拡大に加えて、海外での出荷量拡大が鍵になる」とする。
現在、同社のサーバー事業における海外出荷比率は約20%となっており、今後は海外での出荷拡大に本腰を入れることになる。
「これまでは欧州および北米で実績を持つが、これまで手つかずだったアジア太平洋地域での事業拡大が重要なポイント。2011年度下期には、新たにタイでサーバーの生産を開始し、ここからアジア太平洋地域向けに出荷を開始する」とする。
山元執行役員常務が管轄するNECインフロンティアが持つ、タイの通信機器およびPOSの生産拠点で、PCサーバーの生産ラインを新たに構築。「下期は試験的な生産体制にとどまるが、品質を高め、順次ラインを増強していく」という。
さらに、欧州地域向けには、これまで生産委託しているハンガリーのEMSにおいて増産体制を敷くことで、欧州地域での販売拡大を下支えする。
また、「北米、中国でもEMSを活用した生産体制の構築を検討しており、世界規模で地産地消の体制を確立したい」としている。
なお、日本向けには、山梨県甲府のNEC甲府でPCサーバーを生産しているが、日本での事業拡大にあわせて体制を強化することになる。
また山元執行役員常務は、「NECは、他社に大きく先駆ける形で、2005年からPCサーバーの省電力化や、エコに取り組んでいる。これは世界でも通用する差別化ポイントになる。今後投入するサーバー製品は、すべてエコを前面に打ち出して展開していくことになる」としたほか、「ボリューム拡大や、地産地消型の体制構築により、価格面でもメリットを出したい。また、NECがメインフレームなどで長年培ったノウハウ、信頼性を生かしたハイエンドサーバーも当社ならではの差別化になる。さらに、ネットワーク制御技術であるOpenFlowによる仲間づくりを進めており、ここに活用されるコントローラ部分にサーバーを活用し、データセンター向けに提案を進めるといった差別化も図っていくことになる。これもサーバー事業の拡大につながる」などとした。