米VMware、SaaSアプリを統合管理する「Horizon App Manager」を発表


VMware Horizon App Managerの導入イメージ

 米VMwareは17日(米国時間)、クラウドアプリケーションを管理するソリューション「VMware Horizon App Manager」を発表した。現在、米国など一部地域において、早期ユーザー向けのプログラム(アーリーアクセスプログラム)の中で提供されているが、日本地域を含めた一般発売のスケジュールや価格については、ヴイエムウェア日本法人では特に明らかにしていない。

 VMware Horizon App Managerは、SaaS形態で提供されているクラウドアプリケーションに対して、企業向け管理機能を提供するソリューション。2010年9月に発表された「Project Horizon」を実現するための第1弾製品となる。

 現在、企業がSaaSアプリケーションを従業員に使わせる場合、その管理については、SaaSアプリケーションが提供する以外のことはほとんど行えないのが現状で、多数のユーザーに対してプロビジョニングを行おうとすると、時として膨大な作業が発生してしまう。

 しかしVMware Horizon App Managerでは、Active Directoryなどのディレクトリサーバーと連携して、それぞれのSaaSアプリケーションに対する権限とアクセス制御を、ロールベースで行える仕組みを提供することで、こうした課題を解決可能。「セキュリティ上の課題などからSaaSの利用を認めていない企業でも、Horizon App Managerを導入することで、セキュアな利用が可能になる」(VMware エンドユーザーコンピューティング担当APACプロダクトラインマネージャー、デービッド・ウェークマン氏)という。

 具体的には、集中管理されたアプリケーションカタログを通じて、SaaSアプリケーションに対する権限・アクセス制御を行うための仕組みを提供。ポリシーベースの管理によって、SaaSアプリケーションへのアクセスを柔軟にコントロールできる。

 またユーザーに対しては、利用可能なSaaSアプリケーションが集約された、Webベースのアプリケーションポータルを提供する。このポータルからは、シングルサインオン(SSO)によって各アプリケーションへの容易なアクセスを提供するほか、広範なデバイス、Webブラウザをサポートしており、アクセスする環境を問わないのが特長。ウェークマン氏は、「Horizon App Managerは、次世代のクラウド管理のための強力なプラットフォームだ。エンドユーザーに対して、アプリケーションを効率的に提供することもできる」と、そのメリットを強調した。

 Horizon App Managerは、SaaSアプリケーションとの連携にあたって、SAML、OAuthといったオープンな技術をベースにしているため、事実上ほとんどのアプリケーションとの連携が可能というが、検証プログラムも用意し、確実な連携のための取り組みもSaaSベンダーなどと進めていく予定で、すでに、Box.net、BroadVision、Google、salesforce、WebEX、Workdayなどのサードパーティアプリケーションをサポートしているとのこと。

 なお、Horizon App Managerの管理サーバーは仮想アプライアンスで提供され、手間をかけずに導入できるようにも配慮されているとしており、管理者、ユーザー側の負担を少なく、利便性を向上させられるとしている。

 「現在は限られたアーリーアクセスプログラムでの提供だが、製品に自信が持てるようになった段階、今年後半には日本を含めたすべての顧客向けに提供したい。このプログラムの顧客には、1ユーザーあたり30ドルの戦略的な価格で提供しており、アプリケーションは無制限に利用できる」(ウェークマン氏)。

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(石井 一志)
2011/5/19 06:00