「Backup Exec」新版が全世界で発売、クラウド戦略なども明らかに


 米Symantecは5月3日(米国時間)、日本を含む全世界でバックアップソフト新版「Backup Exec 2010 R3」を発売した。併せて、同ソフトのクラウド版、アプライアンス版も開始し、バックアップの選択肢と柔軟性を提供するという。

 Backup Exec 2010 R3の特徴は、仮想環境におけるバックアップおよび重複除外のパフォーマンスが向上された点。同時に発表した「V-Ray」技術で実現している。同技術は、物理・仮想環境にまたがってバックアップイメージを透過的に視覚化し、すべてのシステムとアプリケーションを効率的に保護する。物理と仮想にわたって重複排除を行えるほか、リカバリも単純かつ時間短縮できるため、バックアップにまつわるコストを大きく削減できるという。

 また、vCenterからBackup Execを管理するためのSymantec Backup Exec Management Plug-in for VMwareも、VMwareエージェントに標準で同梱されるようになる。

 このほか、エージェントからサーバーへのSSLをサポート。バックアップデータ転送時のセキュリティを向上している。データ管理とリカバリのためのアーカイビング機能も向上された。

 Backup Execのクラウド戦略も示された。米国では2011年後半にバックアップのホステッドサービスとなる「Symantec Backup Exec.cloud」を投入する予定。簡単なオンラインバックアップ・リカバリによって、Windows PC・サーバー上のデータを自動的に保護できるほか、セキュリティ、メール管理、データ保護のために拡張された「Symantec.cloud SaaS」ポートフォリオの利点も活用できるという。

 事前見積可能なサブスクリプションベースの料金体系で提供する予定。

 併せて、Backup Execのアプライアンス戦略も推進する。クラウド版と同時期に段階的に提供される「Backup Execアプライアンス」によって、企業はバックアップを目的に合わせて、セキュアに、簡単に管理できるようになるという。アプライアンスなので導入が容易なほか、ほかのBackup Execと一緒に管理することも可能。

 この2つの戦略は、これまでソフトのみで提供してきたバックアップに選択肢と柔軟性をもたらすものとなる。特に中堅中小企業に対して、複雑さから解放され、高速で簡素化された最新のバックアップインフラストラクチャを実現するものだとしている。

 日本におけるクラウド版、アプライアンス版の提供時期は現在検討中。

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