プライベートクラウド向けソフトの国内市場は2015年に2700億円へ~IDC Japan予測


 IDC Japan株式会社は7日、国内クラウドコンピューティング向けソフト市場予測を発表した。2015年のパブリッククラウド向けソフト市場は2254億8000万円、同年のプライベートクラウド向けソフト市場は2707億2400万円に達すると予測されている。なお、この予測に東日本大震災の影響は加味されていない。

 個別の市場のうち、パブリッククラウド向けソフト市場における、2010年~2015年のCAGR(年平均成長率)予測は19.0%。ERMやCRMなどのエンタープライズアプリケーション、コラボレーティブアプリケーションのSaaS市場では売り上げの高い成長率が見込まれているほか、PaaSやIaaSのサービス基盤向けにOSや仮想化ソフトの売り上げ拡大も見込まれ、2010年では国内ソフト市場全体の4.5%だったものが、2015年には9.5%へ拡大するという。

 一方、プライベートクラウド向けソフト市場では、プライベートクラウド基盤の構築に必要な仮想化ソフトやOS、システム運用管理ソフトが、市場の成長をけん引。さらに、プライベートクラウド上で稼働するエンタープライズアプリケーションやデータベースも大きく増加すると予想されており、2010年~2015年のCAGRは34.4%と非常に高い数字が見込まれている。これによって、2010年では国内ソフト市場全体の3.0%にとどまっていたものが、2015年には11.4%を占めるまでに拡大すると予測された。

 こうした結果について、IDC Japan ソフト&セキュリティ マーケットアナリストの入谷光浩氏は、「国内ソフト市場はクラウドコンピューティング向け市場を除くとマイナス成長になる。したがって、ソフトベンダーにとって新規にビジネスを伸ばせるかどうかは、クラウドコンピューティング向け市場をいち早く獲得できるかどうかにかかっている。」とコメント。ソフトウェアベンダーにとって、クラウド向けソフトウェアビジネスの戦略策定と投資が急務になるとしている。

国内クラウドコンピューティング向けソフトウェア市場予測、2010年~2015年(出典:IDC Japan)。2010年は実績値
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