シャープ、複合機を利用した法人向けクラウドサービスを開始

コンビニの複合機からビジネス文書をプリントも


シャープ ビジネスソリューション事業統轄兼ドキュメントソリューション事業本部長・中山藤一執行役員
コンビニエンスストアに設置されているシャープの複合機。この市場ではトップシェアを誇る

 シャープは、複合機を利用した法人向けクラウドサービスを2011年5月から開始すると発表した。

 クラウド上に電子化した文書、データなどを保存し、ファイルの共有や、外出先を含むあらゆる場所での印刷を可能にするクラウドサービス「Data Cabinet Online」のほか、社内に設置してある複合機からの印刷を可能にする「Print System Online」、複合機によるユーザー認証や印刷利用制限などを行う「Accountant Professional Online」を、いずれも5月から開始する。

 さらに、オフィス文書や写真画像をクラウド上に登録して、全国のコンビニエンスストアに設置されている複合機でプリントアウトが可能なネットワークプリントサービスを4月19日から開始する。まずは、サークルKサンクスの約6300店舗で、このサービスが利用できるほか、今後、同社製複合機を導入している他のコンビニエンスストアにもサービスを広げていく考えだ。

 シャープ ビジネスソリューション事業統轄兼ドキュメントソリューション事業本部長・中山藤一執行役員は、「シャープでは、ASP型サービスとして、企業のIT化を支援するSecure & Smart Solutionの頭文字をとった3S WEB(スリーエスウェブ)を展開しており、今回新たにクラウドサービスを追加することで、ワンストップによる企業向けソリューションを展開できる体制を整える。また、コンビニエンスストアの複合機を利用したネットワークプリントサービスでは、この分野におけるシェアナンバーワンの導入実績を生かし、ビジネスで利用する文書を便利にきれいにプリントする環境を整える。端末に搭載されている液晶パネルを情報ポータルとして活用し、さらにコンビニエンスストアをはじめとするパブリックスペースにおける出力インフラを持つ強みを生かしながら、複合機とクラウドサービスを組み合わせたユビキタスオフィス、ユビキタス社会の実現を加速していく」とした。

 Data Cabinet Onlineでは、オフィス内の紙文書を複合機でスキャンして保存。複数の人と共有したり、PCやスマートフォンからのデータの閲覧が可能になる。また、PCやモバイル機器を利用して複合機への印刷指示ができるほか、出先からでも必要な時に複合機への印刷を可能にしたり、電子黒板や携帯電話などにも情報を送信できるという。

 4月19日からサービスを開始するネットワークプリントサービスを利用すれば、WordやExcelで作成した文書や、PDF文書をコンビニエンストストアの複合機からプリントアウトすることも可能になる。プリントアウト料金は、カラーが1枚50円、モノクロが1枚10円。

Data Cabinet Onlineの概要オフィス文書などをコンビニエンスストアの複合機でプリントアウトできるネットワークプリントサービス

クラウドサービスである「Data Cabinet Online」の事例
それぞれの製品の提供時期

 Print System Onlineでは、社内にプリント用サーバーなどを用意していなくても、オフィス内の複合機で印刷が可能になり、加えてセキュリティに配慮した印刷が可能になるため、情報漏えいを防止できるという。

 「サーバー管理者を持たないような部門や中小企業などでも手軽に利用できるソリューション」(シャープ ドキュメントソリューション事業本部ドキュメントシステム事業部商品企画部・本田良孝部長)と位置づけている。

 Accountant Professional Onlineは、ICカードなどを利用した複合機によるユーザー認証を実現するもので、重要書類の置き忘れや、複合機の無断使用を防止。ユーザーごとや複合機ごとの印刷結果の集計、カラー印刷の制限、月々の利用枚数の制限設定などが行える。

 いずれのサービスも、利用料は月額での契約になる予定で、料金については現時点では検討中としている。また、携帯電話やスマートフォンなどを端末として利用できるアプリケーションを無償で配布する考えであり、これにより利便性を高める考えだ。また将来的には、同社のタブレット端末「GALAPAGOS」との連動も検討しているという。

法人向けにはPrint System OnlineとAccountant Professional Onlineを提供するシャープ ドキュメントソリューション事業本部ドキュメントシステム事業部商品企画部・本田良孝部長

 一方、同社では、デジタルフルカラー複合機の新製品として、毎分41枚のコピーが可能な「MX-4110FN」(価格197万4000円)、両面同時読取原稿送り装置標準搭載の「MX-4111FN」(213万1500円)、毎分51枚のコピーを可能とした「MX-5110FN」(価格217万3500円)、両面同時読取原稿送り装置標準搭載の「MX-5111FN」(価格233万1000円)を発売する。

 いずれも10.1型のタッチパネル対応の大型液晶操作画面を搭載し、読み込んだ原稿の表示や印刷内容の確認、ページの入れ替え、削除などをパネルのタッチ操作で行えるのが特徴。また、複合機とアプリケーションを連携させた「Sharp OSA4.0」も搭載しているほか、今回発表した法人向けクラウドサービスにも対応する機能を備えているという。

新製品のMX-5111FN。毎分51枚のコピーが可能タッチパネル対応の10.1型カラー液晶を搭載している

毎分41毎のコピーが可能なMX-4111FN
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