NEC、指紋と指静脈の認証を同時に行う「非接触型指ハイブリッドスキャナ」


非接触型指ハイブリッドスキャナ HS100-10

 日本電気株式会社(以下、NEC)は24日、非接触で指紋認証と指静脈認証を同時に行う認証装置「非接触型指ハイブリッドスキャナ HS100-10」を発表した。同日より、日本ならびに北米、アジアでの販売を開始し、4月25日の出荷開始を予定する。なお、同種の装置を製品化したのは、NECが世界で初めてという。価格はオープン。

 HS100-10は、指をかざすだけの簡単な操作で、指紋情報と指静脈情報を同時に読み取って認証できる装置。読み取り部分に直接触れずに認証する非接触型であるため、従来の指紋認証装置では読み取りづらかった、乾燥指や多汗指でも確実な認証を行える。

 指静脈認証技術は、すでに実績のある高精度な指紋認証と顔認証技術の応用により、独自に開発されたもので、HS100-10ではこの認証による指静脈情報と指紋情報を両方利用するため、従来製品と比較して「なりすまし」が困難な点が特徴という。

 またPCとはUSBインターフェイスで接続し、スタンドアロン環境やActive Directory環境において、OSログオン、スクリーンセーバーロックの解除といった場面で利用可能。自社の統合ID・アクセス管理製品「SECUREMASTER」をはじめ、「Tivoli Access Manager for Enterprise Single Sign-On」、「Novell SecureLogin」といった他社のシングルサインオンソフトとの連携にも対応する。

 今後は、各種業務パッケージ製品やユーザー業務アプリケーションでHS100-10を利用できるようにするための開発用API「指ハイブリッド認証開発ライブラリ」も提供されるほか、電子カルテシステム「MegaOakHR」などの各種業務パッケージとの連携ソリューションも、順次リリースされる予定だ。

 なおHS100-10は、海外の安全規格や電磁環境への適合に関するEMC規格に対応しており、グローバルへの販売を視野に製品化されているとのこと。今後3年間で40万台の販売を目指している。

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(石井 一志)
2011/2/24 12:02