データコア、ストレージ仮想化ソフトの新製品「SANsymphony-V」

SANsymphonyとSANmelodyをブランド統合


データコアの片山崇氏

 データコア・ソフトウェア株式会社(データコア)は1日、ストレージ仮想化ソフトの新製品「SANsymphony-V」を発売した。

 新製品は、従来の「SANsymphony」「SANmelody」に新機能を追加するとともに、両製品を単一ブランドに統合したもので、同社の今後の中核製品となる。

 SANsymphony/SANmelodyは、IAサーバーをストレージ化し、ブロック単位で仮想化する製品。Windows OS上でストレージ仮想化コントローラとして動作し、あらゆるストレージのリソースを仮想プール化・動的割り当て(シンプロビジョニング)することで、ストレージの利用効率を最大化。汎用的なFC/iSCSIストレージとして、さまざまなOSや仮想サーバーをサポートし、ハードウェアに依存しない仮想化ストレージ運用を実現する。

 新製品では、管理性の向上をはじめ、機能追加・拡張している。管理性では、独自の専用GUIを開発。ノード単位ですべての情報を一元化し、設定・イベント・稼働状況・操作・ログ管理を単一ビューで一覧可能とした。また、ウィザード形式の操作ガイドを盛り込み、管理性を向上。専用GUIとして製品から切り離すことで、Windows Server Coreにもインストールを可能にするなど安定性も高めている。

独自の専用GUIを開発GUI画面例

 主な機能は、「仮想ディスクプール」「シンプロビジョニング」「高速キャッシュ」「RAIDストライピング」「同期ミラー(HA)」「スナップショット(差分/完全複製)」「リモートレプリケーション」「データ継続保護(CDP)」など。

仮想ディスクプール。まったく互換性のないデバイスのリソースを仮想ディスクプール化。プールに参加するリソースの性能・密度などに応じて、簡単に階層化も実現できるシンプロビジョニングによる動的な割り当て。新たに仮想ディスクごとに、あらかじめ必要サイズのリソース予約が可能になった。一度割り当てたリソースを解放するリクラメーション処理も可能

高速キャッシュ。データコアサーバーごとに最大1TBのキャッシュを提供できるRAIDストライピング。仮想ディスクプールにはオンラインでリソースを追加できる。RAIDのストライプを増やし、物理ストレージのコントローラ分散も可能なため、I/O性能向上にも有効

同期ミラー(HA)。リアルタイムに同期ミラーリングを行い、簡単に仮想ディスクの二重化を実現。物理的に分かれたノード間のミラーリングなのでロケーションも選ばないスナップショット。Point-in-timeで仮想ディスクのイメージを複写する。差分もしくは完全複製の2種類が選べる

 このうち、新機能として追加されたのが、「リモートレプリケーション」と「CDP」で、前者ではIPによる非同期ブロック転送を実現。新しい独自プロトコルと圧縮技術により、従来の5~20倍の速度でデータ転送が可能という。オプションの「ASR(Advanced Site Recovery)」を組み合わせると、サイト間で双方向レプリケーションも実現。簡単に逆方向にもデータ転送できるため、災害対策としてサイト切り替えた後のデータ復旧も容易に行えるとしている。

 後者では、2時間から最長48時間までのデータ更新をブロックレベルでロギング。任意の時間のロールバックボリュームを作成し、簡単に元に戻せるという。

リモートレプリケーション。IPによる非同期ブロック転送を実現。転送速度も向上している。また、ASRオプションを利用することで、サイト間での双方向レプリケーションも実現するCDP。2時間から最長48時間までのデータ更新をブロックレベルでロギング。SNIAの定義に沿ったデータ継続保護を実現する

 今回、ブランド統合に併せ、価格体系も刷新した。従来は扱えるディスク容量固定のベースライセンスのみだったが、今回より追加容量ライセンスを用意し、規模に応じて柔軟に導入可能とした。

 新ベースライセンスは、ディスク容量と最大ノード数に応じて5段階のライセンスを用意し、価格は、最大3TB/2ノードで36万円、最大9TB/2ノードで72万円、64TB/2ノードで160万円、128TB/2ノードで576万円、128TB以上/2ノードで1088万円。追加容量ライセンスは同時購入のTB数によって単価が異なり、1~9TB購入の場合が9万6000円/TB、10~49TB購入の場合が6万4000円など。

 データコアでは「SANsymphony-Vの投入で、仮想化・クラウド市場へ一層フォーカスする。販売体制の強化として、ディストリビュータを3社に増やし、同時に認定技術者の育成にも努め、首都圏以外の地域へも展開する」(データコアの片山崇氏)考え。

 なお、ディストリビュータとしては、従来からのエム・ピー・テクノロジーズに、2月1日付けで双日システムズが加わり、近日中にもう1社が加わる予定。

新ベースライセンス体系新オプションライセンス体系
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