リコーグループとマイクロソフトがクラウドで提携、3年で20万ユーザーの獲得目指す


リコージャパンの畠中健二社長(左)と、マイクロソフトの樋口泰行社長(右)
両社の関係
今回の提携によって提供できる価値

 株式会社リコーとリコージャパン株式会社を中核としたリコーグループは25日、マイクロソフト株式会社とクラウド分野で提携すると発表した。マイクロソフトの企業向けクラウドサービスと、リコーの導入支援サービスなどと組み合わせたソリューションを提供するほか、310カ所の販売拠点、386カ所サポート拠点を持つリコーグループの販売網を、クラウドの展開にも利用する。

 WindowsやOfficeといった、クライアントソフトウェアのビジネスから始まったリコーグループとマイクロソフトの関係は、第二段階として、企業向けのシステム、ソリューションといった分野に提携を拡大。「販売だけでなくコンサルティング、サポートという分野でも大事なパートナーで、年間100億円のビジネス規模がある」(マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏)のだという。

 そうした中で、今回は第三段階として、クラウドについても提携を開始した。その背景としては、中堅・中小企業、特に地方においてクラウドの活用が進んでいないことが背景にある。導入がしやすく、管理も容易なクラウドサービスは、中堅・中小企業での導入に向いているとされているが、樋口社長は、「そうはいっても、管理者やスキルの不足があり、また、対応できる地場のパートナーも不足しているということで、中堅・中小企業にリーチできるインフラはまだまだ」という現状を指摘。これを解決するために、「全国津々浦々までインフラをお持ちのリコーと提携をする」とした。

 具体的には、マイクロソフトが提供しているExchange OnlineやSharePoint Onlineなどの企業向けクラウドサービスと、リコーの中小企業向けITサービス「NETBegin BBパック Select」を組み合わせてソリューション化。導入・設定から保守、ヘルプデスクまでをリコーがワンストップで支援することにより、中小企業におけるクラウド導入のハードルを引き下げ、いっそうの拡販を狙う意向を示す。

NETBegin BBパック Selectの概要共同ソリューションの提供イメージ

 また、そのためには各要員のスキルの底上げが必要になることから、マイクロソフトでは、全国のリコーグループの営業スタッフおよびエンジニア約1万1700名に対しトレーニングを実施。製品や技術に関する理解促進を図るとした。

 一方、リコーグループにおいて国内の販売・サポートの中核を担う、リコージャパンの代表取締役 社長執行役員の畠中健二氏は、NETBegin BBパック Selectについて、「万が一の時に丸ごとおまかせいただける安心感と、運用管理の手間が省けることから、お客さまにご好評いただいており、3月末には10万セットの販売数に達する見込み」と、その好調ぶりをアピール。その上で、「マイクロソフトのクラウドサービスと、当社のサポートというリアルなサービスを組み合わせることにより、お客さまに、進化したクラウドサービスをお届けできる。この提携は、当社のビジネスにとっても、大変重要でエポックメーキングなできごと」と述べ、提携の意義を強調した。

 なお、クラウドサービスの支援メニューは、NETBegin BBパック Selectのオプションとして提供される予定で、リコージャパンの畠中社長は、「PC3台のお客さまが導入されると、BBパックと合わせて月額5000円を想定している」と、費用の目安に触れた。

 マイクロソフトとの共同クラウドソリューションの販売目標は、3年間で全国20万ユーザーで、両社ではそれ以外のソリューション提供も含め、「現在の倍、200億円の取引額を目指して活動を続ける」(マイクロソフトの樋口社長)としている。

関連情報