マイクロソフト、2月1日に移転する新オフィスを公開

企業向け・コンシューマ向けの「お客様スペース」も設置


 マイクロソフト株式会社は11日、2月1日にオープンする新オフィスを報道陣向けに公開した。

品川駅からほど近い「品川グランドセントラルタワー」に移転

マイクロソフト新オフィス玄関

 新オフィスは、JR品川駅、港南口から徒歩5分に立地する品川グランドセントラルタワー。以前は三菱自動車と三菱商事が利用していたビルだ。32階建てのビルのうち19階から31階までを使用する。

 新オフィスとして品川を採用したのは、「自社ビル建設も含め、お客さまに近いオフィスを確保するという観点で物件探しを行った結果、山手線内にオフィスがあることが望ましいという結論に達した。従来オフィスである新宿本社から、電車で20分で移動が可能であり、駅からも近いということでこのオフィスに決定した」とマイクロソフト側では説明している。

 現在、東京には、マイクロソフトのオフィスは7つあるが、開発などの部署がいる調布オフィスと、大手町にあるテクノロジーセンターを除く5つのオフィスから、約2500人の社員が移転する。

 1月中旬から2月上旬まで、各部署が段階的に移転を開始するが、正式な新オフィスオープンとなる2月1日には社名も、「日本マイクロソフト株式会社」に変更される。

マイクロソフトの移転にあたっての基本方針新オフィス概要マイクロソフト日本法人の本社オフィスの変遷

 

全体の6割でフリーアドレスを採用、エンタープライズボイスも導入

新オフィスのベースとなる考え方

 新オフィスになって採用されるのがフリーアドレス。現在、マイクロソフトはワールドワイドで「WPA(ワークプレイスアドバンテージ)」として、働き方に合わせた新しいオフィスのあり方のトライアルを行っている。利用しているオフィスの契約切れ時期などに合わせフリーアドレスの採用などを実施しており、日本法人でも、営業、マーケティングなどの全体の60%でフリーアドレスを採用する。

 フリーアドレスを採用した部署には、「部室」としてその部署の専用スペースを提供。部署内で必要な荷物を置くとともに、部署内の意思疎通の拠点として活用していく。

 フリーアドレスとともに全社導入されるのが「エンタープライズボイス」。Lync 2010に搭載されたテクノロジーで、従来のようにPBX経由の固定電話を置かず、インターネットを介して通話を行う。通常はパソコンに直接連絡される方式だが、携帯電話への転送、公衆回線の活用、Lync 2010に対応した固定電話機での利用も可能。マイクロソフトの新オフィス内でも、バックエンドはエンタープライズボイスを利用するものの、固定電話機での応答を行うスタッフも一部存在するという。

新オフィスで実践する多様なワークスタイル多様なワークスタイルを実現するユニファイドコミュニケーションテクノロジー基本的には固定電話を廃止し、エンタープライズボイスを全社導入

社員向けオフィス。フリーアドレス用の机が配備されている透明のついたての奥はテレビ会議などを行うスペース。外部の音を遮断して電話会議などのコミュニケーションを取るためのスペースとなっている
フリースペースの隣には、「部室」と呼ばれる各部の専用スペースが設けられている。その部署専用の荷物などを置くことができる
フリーアドレスを利用する社員向けロッカー。社員フロアには簡単な打ち合わせなどが行える小規模のスペースがあちこちに設けられている

 

企業向け「お客様スペース」や会議室が設置される31階

 また、企業向けビジネス部門は31階、コンシューマ向けビジネス部門は30階に「お客様向けスペース」を用意。31階にはユニファイドコミュニケーションのデモスペースを用意し、エンタープライズボイスなどの体感してもらう。


31階には「法人向けお客様スペース」を設ける
「法人向けお客様スペース」となる31階の中央スペースは、ユニファイドコミュニケーションのデモスペースとして機器やソリューションを実演予定
大きなディスプレイはデジタルサイネージのデモスペースとなる予定31階の奥にはエグゼクティブ用の会議スペースも
31階には来客の人数や用途に合わせて使い分けることができるさまざまな会議室が用意されている
会議室ではないものの、打ち合わせに利用できるようないすと机もあちこちに

 

コンシューマを対象にした30階

 「コンシューマ向けお客様スペース」となる30階にはリビングや子供部屋、AVルームなどシチュエーションに合わせた展示スペースを用意する。

 なお、この2フロアの「お客様スペース」には、外部顧客とのミーティングルーム64室を用意。社内から「足りない」という声があがっていた、ミーティングスペースを増強した。


「コンシューマ向けお客様スペース」を設ける30階
コンシューマビジネス向けのお客様向けフロアとなる30階は、照明なども遊び心を生かしたデザインに
セミナールームに置かれたいすも31階とは異なるカラフルなデザインに木のついたての奥には、書斎や子供部屋など生活に根ざした展示スペースとなる予定

 

「One Microsoft」を実現する全社員向けスペースを用意、社員食堂も

 ミーティングスペースは、社員向けフロアにも増強され、2、3人の小規模会議ができるスペースを含めると、全体で約300室のミーティングスペースが用意された。

 また、これまでは別オフィスで活動してきたビジネス向け事業のスタッフからゲームのようなコンシューマ向けビジネスを行うスタッフまでが一堂に会して仕事をする機会がなかったことから、19階には社員食堂を設けるとともに、「One Microsoft」として部署の垣根なく社員が集まることができるスペースを用意、部署の垣根を越えたコミュニケーション拡大にもつなげていく方針だ。

全社員が利用するスペースとなる19階基本的な従業員向けフロア19階は全社員が利用できるフロア。部署に関係なく、セミナーなどで利用できるスペースが用意されている
社員からのリクエストにより設置された社員食堂
19階のテーマは「One Microsoft」。部署の隔てなく一丸となって取り組んでいこうとする姿勢を示すフロアでもあるOffice Service Counterとは総務部門的な部署。コピーやFAX、PCなどオフィス内で提供される商品を管理、供給する一見するとデザインのようだが、実はOffice Service Counterで提供されるサービスの中身が書かれている
関連情報