モバイル向けコンテンツ配信ツール「Handbook」をIIJ GIOからSaaS提供へ


Handbookの概要

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は9日、インフォテリア株式会社が開発したモバイル端末向けコンテンツ作成・配信ツール「Handbook」のSaaS提供を発表した。「IIJ GIOスマートモバイルソリューション」の新メニューとして12月より提供する。

 Handbookは、iPad/iPhone/Android端末などのモバイル向けコンテンツを手軽に作成・配信できるサービス。専用アプリを開発することなく、テキスト・画像・動画や、クイズ・アンケートも採り入れた双方向なコンテンツが簡単に作成できる。アクセス権限を設定し、ユーザーごとに閲覧できるコンテンツを制御することも可能だ(サービス発表会記事はこちら)。

ビジネス現場にスマートデバイスを浸透させるアクセス制御が可能

画像、動画、ファイルを添付可能クイズやアンケートなどのコンテンツも作成可能

 今回の協業では、IIJ GIOからSaaSとしてHandbookを提供する。インフォテリアもSaaS形式でHandbookを提供しているが、こちらはサーバー共有型で500名・500MBまでなどの制限があり、どちらかというとパイロット版のような位置づけだ。これに対して、IIJ GIOで提供するサービスは1000名以上・数百GBにも対応し、サーバーもユーザーごとに専有する形となる。

 また、IIJ GIOの他サービスと組み合わせて、強固なセキュリティも実現する。例えば、Handbook搭載端末を紛失した場合も、端末管理サービス「Smart Mobile Manager」からデータのリモートワイプ(消去)が可能。必要に応じてVPN環境も利用できるし、9月に発表された新サービス「Mobile Application Gateway」によって、XenAppによるリモートデスクトップもiPadで利用できる。

システム構成イメージ提供メニューと価格
IIJ社内クライアント環境の変遷。シンクライアント化を進める中で、Handbookの営業活用も行っていた

 この付加価値を提供するのが、今回の協業の狙いだ。実はIIJでも、以前よりHandbookを利用していた経緯がある。マーケティング・営業部門にiPadを導入し、客先でのプレゼンテーションツールや展示会でのアンケートシステムなど販促用途に活用。社内でも会議の際の資料配付ツールとして活用していた。

 IIJ 執行役員 マーケティング本部長の松本光吉氏によると、「Handbookの手軽さはiPadにマッチしていた。コンテンツの種類やユーザー属性に応じて、閲覧・ダウンロードの可否を設定するなど、柔軟なアクセス制御も魅力だった」とのことで、この社内実践が今回の協業につながった。

 IIJ GIOで提供するHandbookサービスでも、IIJの事例と同様に、営業販促ツールなどとして訴求する方針。中堅・大企業が主な対象となる。価格は初期費用が15万円、月額費用が10万円から(1000人で利用する場合、1人あたり月額100円から)。

 なお、同サービスの活用事例として、株式会社インプレスビジネスメディアがIT月刊誌「IT Leaders」を会員サービスとして提供する予定。ユーザーは、2011年1月号より毎号無料で「IT Leaders」の配布・閲覧が可能となる。

IIJ 執行役員 マーケティング本部長の松本光吉氏インフォテリア 代表取締役社長兼CEOの平野洋一郎氏
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