フォーティネット、1Gbpsのファイアウォールスループットを実現したエントリー向けUTM
ARMベースのSoCを採用
FortiGate-60Cの前面。右側にあるのはExpress Cardスロットで、国内でも3Gモデムなどに対応する予定という |
フォーティネットジャパン株式会社(フォーティネット)は30日、エントリー向けのUTMアプライアンス「FortiGate-60C」を発表した。エントリー製品ながら、1Gbpsのファイアウォールスループットを備えるほか、WAN高速化機能も利用できるという。提供は同日より開始する。
FortiGate-60Cは、エントリー向けのUTMアプライアンスで、すでに販売が終了している「FortiGate-60B」の後継として提供される。
最大の特徴は、ARMベースのSoC(System-on-a-Chip)「FS1」を搭載したこと。ファイアウォールの高速化を行う「FortiASIC NP」と、VPNやシグネチャベースの検査を高速化する「FortiASIC CP」の技術をSoCに統合したことで、エントリー製品でありながら上位製品を上回る1Gbpsのファイアウォールスループットを実現している。
UTM以外の最大スループットは、IPsec VPNが70Mbps、ウイルス対策が20Mbps、IPSが60Mbps。これら以外に、SSL-VPNやWebフィルタ、スパム対策、情報漏えい防止などの機能を備えてる点は、従来と同様だ。
また、最大32GBまでのメモリカードをサポートするSDHCスロットを搭載。添付の4GBメモリカードを挿入することによって、ログ、レポートの取得を行える。さらに、16GB以上のメモリカードを挿入すれば、WebキャッシュとWAN高速化(最適化)機能を追加することも可能。FortiOS 4.0以上を搭載し、HDD/SSD/メモリスロットを備えたアプライアンス、あるいはクライアントツール「FortiClient(有償版)」との間で、通信を高速化することができる。
フォーティネットではFortiGate-60Cの導入対象として、中小企業オフィスだけでなくリモートオフィスやフランチャイズチェーンの店舗なども想定しているが、そうした場合は、WAN高速化機能が非常に有効に働くとのこと。「低価格ながら、高速なファイアウォールとWAN高速化機能を備えた、コストパフォーマンスの高いソリューションとして導入できる」とアピールしている。
加えて、USBポート経由でWindows PCと接続すると、セットアップウィザード「FortiExplorer」を提供可能。3G網を利用したワイヤレスモデムとの接続機能も備えており、国内キャリアでの動作検証もこれから行っていくという。
インターフェイスは、LAN向けが1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×5、WAN向けが100BASE-TX/10BASE-T×2、DMZ向けが100BASE-TX/10BASE-T×1。
市場想定価格は、初年度メーカー保守を含めて15万2000円から。ウイルス対策、IPS、Webフィルタ、スパム対策といった機能を利用するためには、別途サブスクリプションの契約が必要となる。