「2009年度の国内メール誤送信市場は3億5000万円、2010年度は49%増」-ITR調査


 株式会社アイ・ティ・アール(ITR)は23日、2009~2010年度の国内メール誤送信防止市場に関する調査結果を発表した。

 それによると、国内メール誤送信防止市場の出荷金額は、2009年度で3億5000万円。市場規模自体は小さいものの、前年比20.7%増と大きな伸びを示すように、同市場の注目度は高まっているという。ITRでは、この傾向は2010年度も続くと見ており、前年比49%増と、さらなる拡大を予測している。

 シェアを見ると、草分け的存在であるNTTソフトの「CipherCraft/Mail」が48.6%と、半分近くを占める状況。以下、オレンジソフトが7.1%、トランスウエアが5.7%、CSKWinが5.7%と続くが、2009年度はさらにポピュラーソフト、富士通SSLといったベンダーも参入し、2010年はさらにシェア争いが激化すると見ている。

 なお、ITRのシニア・アナリスト 甲元宏明氏は、「メールの誤送信はいつでも発生しうる問題であり、この問題は長らく電子メールのセキュリティ上の課題とされてきた。その解決に向けて登場したメール誤送信防止製品は、まだ認知度が低いものの、今後、市場の拡大が期待される分野。ただしこれらの製品も、Gmailのようなセキュリティ機能を包含したクラウド・ベースのメールサービスと常に比較されていくことになるだろう」とコメントしている。

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(石井 一志)
2010/6/23 18:12