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NTT東日本と千代田化工建設、IOWNを活用したプラント運用の高度化と持続可能性向上を目指す実証を開始
2026年6月15日 06:30
NTT東日本株式会社と千代田化工建設株式会社は12日、総務省の実証事業「地域社会DX推進パッケージ(先進的通信システム活用タイプ)」に採択されたと発表した。実証では、シーメンス株式会社、日本エマソングループ(以下、エマソン)と連携し、IOWNのAPNを活用した「次世代リモートO&M(Operation & Maintenance)モデル」の確立に向けた検証を行い、産業分野における持続可能かつ高度な遠隔運転・保全モデルの実現を目指す。
地域で運営されている既設のプラント設備を取り巻く環境では、人材不足や熟練技術者の高齢化・引退により、運転・保全を担う人材の不足が深刻化しているという。加えて、プラント設備の老朽化対応や災害時の迅速な復旧対応など、現場の負担は年々増大しており、従来型の現場常駐を前提とした運用モデルの継続は困難になりつつある。これらの課題に対し、遠隔監視・制御や大量データを活用した保全が求められている一方で、従来の通信では遅延等の制約により実現が困難だった。
千代田化工建設はこれまで、プラント設備のEPC(設計・調達・建設)およびO&M分野における豊富な実績を基に、デジタル技術を活用したプラント設備制御・運用高度化に取り組んできた。また、NTT東日本は、製造業DXの基盤となる工場ネットワークインフラ整備を推進しており、先進的通信ソリューションの一つとしてIOWN APNの特徴を生かしたネットワークの高度化および業務効率化に向けた取り組みも積極的に実施している。
実証事業では、両社のソリューションとシーメンスのバーチャルPLC、エマソンのEthernet-APL製品といった最新の通信基盤およびプラントOT技術を融合することで、遠隔地からでも現場と同等の運転・保全を可能とする新たなO&Mのあり方について実証する。
実証では、IOWN APNが有する高速大容量、低遅延・ゆらぎゼロの通信特性を活用し、複数拠点のプラント設備を少人数で管理・運用することを想定した遠隔監視・制御の成立性を評価する。具体的には、千代田化工建設の子安オフィス・リサーチパーク(神奈川県横浜市)とNTT東日本のNTT中央研修センタ(東京都調布市)の拠点間ネットワークをIOWN APNで接続し、遠隔地からのリアルタイム設備監視、制御操作、異常兆候の検知などを通じて、運転品質や安全性、対応スピードを検証するとともに、現場不在運用モデルの実現を目指す。
また、IOWN APNの活用により、従来の通信では困難であった、熟練技術者が音や振動のわずかな違いから判断していた設備異常について、大容量のセンサーデータをリアルタイムに伝送することで、設備の異常兆候を遠隔から高精度に検知可能であるか確認する。さらに、プラント運用において求められる高い安全性・信頼性の確保を前提に、IOWNの低遅延かつゆらぎのない通信特性によって、遠隔地からでも現場と同じように安定した操作や制御ができるかを検証する。
将来的には、実証で得られた成果を千代田化工建設の既存ソリューションであるplantOSと連携させることで、地域プラントの安全性・効率性の向上、人材不足や災害対応といった社会課題の解決に貢献する。
実証において、NTT東日本はプロジェクト全体の統括・推進、IOWN APNの提供主体、通信システムの実証主体を多能。千代田化工建設は、疑似的なプラント環境の構築主体、プラントシステムの実証主体を担当する。シーメンスはバーチャルPLCの提供、エマソンはEthernet APL対応機器の提供を行う。実証期間は2026年7月~2027年2月(予定)。
実証およびその効果検証を踏まえ、2027年度は実装候補となるプラントでの安全運用性や保全性、安定性などの実証環境を検証し、2028年度以降には遠隔からの運転・保全を可能とする実用的かつ持続可能なO&Mモデルの確立によって、産業インフラ分野における持続的な成長の実現に寄与することを目指す。
