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Coltテクノロジーサービス、NaaSの新機能や量子コンピューター時代のセキュリティ対応など最新技術を紹介
2026年4月24日 15:05
Coltテクノロジーサービス(以下、Colt)は22日、プレス向けの技術説明会を開催し、NaaSの新機能の他、耐量子計算機暗号技術などを含めた先端技術への取り組みを紹介した。
最初に国内のネットワーク拡張についてのアップデートが紹介された。Coltは西日本エリアでの需要の高まりに合わせてネットワークの拡張を行っており、大阪-福岡間の長距離ネットワークは2025年に構築を完了している。福岡・広島・岡山の3都市におけるメトロネットワークについては、以下のような予定になっている。
広島・岡山:2026年6月完了予定
福岡:2026年10月完了予定
NaaSの新機能「COLTお客様指定ルーティング」
Coltは2025年7月に、同社が提供するNaaSにおいて、国際通信のネットワーク経路を任意に選択できる機能の実証実験を開始した。ポータルから操作することで、
- 最も低遅延のルートを選択
- レジリエンス(災害復旧性)のための特定海底ケーブルのルートを定義
- トラフィックが特定の国または地域にとどまることでデータ主権要件に対応
といったことが可能になる。
昨今では地政学リスクが顕在化していることから、紅海/ホルムズ海峡を通過するルートを回避するなどの目的でも利用される可能性がある。
2025年の発表時点では、この機能はSmart Pathという名称で紹介されたが、アジア地域では「COLT CUSTOMER DEFINED ROUTING(COLTお客様指定ルーティング)」という名称でサービスを展開する。年内に提供開始の予定だ。
SDNの光ネットワークへの適用
Coltでは、大容量光通信技術や耐量子計算機暗号技術の実証実験を大西洋横断ネットワークなどで行っている。
長距離網については、大陸間や欧州でテラビットやギガビット級の通信網が提供されている他、東京-大阪間でもテラビット級光伝送の実証実験が行われている。
また、NaaSを実現するのはSDN(Software Defined Network)だが、メトロエリアの光ネットワークにSDNを適用するための技術開発も進めている。光チャネルの経路変更には光スイッチが必要だが、ROADM光スイッチはサービスの変更にハードウェアの変更を伴う。そこで最新のものは、コヒーレントのレシーバーを使っている。
光デジタルコヒーレント通信は「混じり合っている信号の中から見たい信号だけ取り出すことができる能力を持つ。これを使うことでソフトウェアですべてを制御できる仕組みを作り、コストをかけずに光のSDN化が可能と考えている」と、Coltテクノロジーサービスの中島英規氏(O&E本部テクノロジー・イノベーションネットワーク基盤アーキテクチャ部主席ネットワーク&システムアーキテクト)は言う。
量子コンピューター時代のセキュリティ強化
量子コンピューティングにおける脅威に対するデータ通信の安全性を検証する実証実験も行われている。今年1月には、耐量子計算機暗号技術を用いて、陸上を含む大西洋横断の海底ネットワーク上で100ギガビットイーサネット(GbE)のデータ伝送に成功したと発表している。
また、鍵交換についても量子コンピューターの登場により、QKD(Quantum Key Distribution:量子鍵配送)が導入されると考えられている。こうした暗号方式の進展に対して、「サービスを止めずに鍵の仕組みを入れ替えるようにしたい」(中島氏)として、技術開発を進めている。
「現状の暗号鍵管理はプライベート網に適用されているが、今後は鍵管理ネットワークに進化させてメトロ領域に広げ、さらに暗号鍵管理を自動化しながら規模を拡大してグローバル領域に広げていくことを考えている」(中島氏)という。


