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SAPジャパン、AI機能などを強化した「SAP Cloud ERP Private 2025リリース」を提供開始
2025年12月17日 13:35
SAPジャパン株式会社は15日、業務効率を向上させる組み込みAIやインテリジェントエージェント、データ基盤の強化などの新機能を追加した「SAP Cloud ERP Private 2025リリース」を提供開始した。新リリースでは、企業がよりスマートに業務を遂行し、より迅速に近代化し、エンド・ツー・エンドのビジネスプロセス全体にわたってデータとAIを活用したアプリケーションの潜在能力を最大限に引き出せるとしている。
SAP Cloud ERP Private 2025リリースの新機能のうち、サプライチェーンについては、製造業の顧客が受注確約と物流実行を連携させるインテリジェントな自動化により、より迅速かつ信頼性の高い受注処理を実現できる。強化された高度なATP(在庫確保可能量)機能により、手作業の負担が軽減され、在庫活用が最適化される。
財務については、多国籍企業の場合、ユニバーサルな並列会計とバリューチェーン分析により、リアルタイムの収益性分析情報が得られ、企業間フローが自動化されるため、財務リーダーはパフォーマンスを積極的に管理し、透明性を向上できる。
資産管理については、保守計画担当者が、未完了の予防保守および是正保守要件の可視性を高めることで、設備の信頼性を向上させ、ダウンタイムを削減できる。保守指示と計画バケットに関する詳細な情報により、プロアクティブなスケジュール設定とリソースの最適な活用が可能になる。
オペレーションについては、組織は新しい多段階の連結会社間販売および在庫移動プロセスを通じて、事業体全体の効率性、透明性、コンプライアンスを向上できる。重要なステップを自動化し、可視性を高め、実行を効率化することで、より迅速で信頼性が高く、拡張性の高いサプライチェーンオペレーションを実現する。
また、SAP Cloud ERP Private 2025リリースではAI関連の新機能として、主要なエンド・ツー・エンドのビジネスプロセスにAIを組み込み、状況に応じたガイダンス、インテリジェントな推奨と推論、最も重要な部分での自動化を提供する。統合されたデータとアプリケーション基盤の上に構築されたSAPのAIイノベーションは、財務、サプライチェーン、製造、サービスなど、あらゆる意思決定に精度、予測可能性、信頼性、セキュリティをもたらすとしている。
その中心となるのがJouleで、Jouleは役割認識型アシスタントへと進化しており、各ユーザーの職務に合わせてインサイトと行動をカスタマイズする。Jouleは、あらゆるインタラクションがビジネスコンテキストに即し、適切に管理され、根拠に基づいていることを保証し、チームが明確かつ自信を持って行動できるよう支援する。
例えば、売掛金管理エージェントは、回収を加速し、未払い請求書を減らし、次善策を推奨することで流動性を改善する。紛争管理エージェントは、矛盾点を特定し、迅速な承認のための回答を提案し、フォローアップを実行することで、解決サイクルを短縮する。メンテナンス・プランナー・エージェントは、強化されたメンテナンスのインサイトや、生産計画と調達全体の統合および相互接続されたデータに基づいてメンテナンスイベントを推奨し、スケジュールを調整することで、稼働時間を向上させる。
SAP Cloud ERP Private 2025リリースは、従来のスコープと完全に互換性があり、複数ステップのアップグレードは必要ない。顧客は最小限の労力で最新バージョンに移行し、アプリケーション、データ、AIの進化によるメリットをすぐに享受でき、ダウンタイムがほぼゼロのアップグレードと自動アップデートにより、メンテナンス期間が短縮され、導入の迅速化、システムの中断の低減、価値実現までの時間の短縮を実現するとしている。