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New Relic、エージェンティックAIの監視機能とMCPサーバーの提供を発表
2025年11月26日 15:33
New Relic株式会社は26日、エージェンティックAIの監視機能「New Relic Agentic AI Monitoring」と、New Relicの機能をAIエージェントに提供する「New Relic MCP Server」の2つの新機能を発表した。新機能は、システムの複雑性を解明し、AI時代において企業がより高品質なソフトウェアやサービスを提供できるよう支援するとしている。
New Relic Agentic AI Monitoringは、相互に連携するAIエージェントやツール群を包括的に可視化し、エージェントワークフォースの最適化を可能にする。組織は、エージェント間の通信メッシュを把握できるため、トラブルシューティングが迅速化され、ダウンタイムを回避できる。
ツールの使用状況、パフォーマンス、エラーに関する詳細な洞察を提供するとともに、どのエージェントとツールがどのような順序で呼び出されたか、また主要なパフォーマンスデータを表示するビューも提供する。ユーザーは、エージェントとツールが統合されたAIの目録のようなインベントリビューから、それらのレイテンシやエラーに関する詳細な洞察を得られる。エージェントサービスマップは、エージェント間の相互作用を可視化し、個々のエージェントのパフォーマンス詳細やトレースを掘り下げて確認する機能を提供する。
New Relicは、個々のLLMの監視に限定されたソリューションとは異なり、相互接続されたエージェントやツール、それらが依存するサービスやインフラストラクチャ全体にわたる包括的なオブザーバビリティを提供すると説明。これにより、エンジニアリングチームとDevOpsチームが、問題をより迅速に特定して根本原因分析を加速し、AI対応スタック全体のパフォーマンスを最適化できるとしている。
New Relic MCP Serverは、New Relicの機能をAIエージェントに提供し、統合されたツールの重要なエコシステムを実現する。このインテグレーションにより、GitHub Copilot、ChatGPT、Claude、Cursorなどの一般的なAIアシスタントが、New Relicの詳細なオブザーバビリティデータに直接アクセスし、エンジニアのワークフローに重要な洞察を組み込めるようにする。
New Relic MCP Serverを使用することで、エンジニアは作業場所を問わず、詳細なデータと洞察を取得でき、お気に入りのAIエージェントを瞬時に強力かつ生産的なものにできると説明。コンテキストの切り替えが不要になることで、チームによるインシデント対応の迅速化、MTTR(平均復旧時間)の短縮、アップタイムの向上、市場投入までの時間の短縮が可能になり、あらゆるエンジニアが即座に質問し、すぐに実用的な洞察を得られるようになるため、組織全体でオブザーバビリティが民主化されるとしている。
さらに、「オブザーバビリティのためのAI」を強化した新機能も同時に発表した。「New Relic Outlier Detection」は、アノマリー検知と連携して、集団の中で平均で評価すると見逃してしまうような個別の異常動作(外れ値)を能動的に検出し、分析する機能を提供する。問題や障害を示すデータポイントを強調表示することで、チームが作業の優先順位付けを行い、エンドユーザーに影響が出る前に、インシデントに対してプロアクティブに対処できるようにする。このソリューションは業界標準のアルゴリズムを超え、外れ値をフラグ付けするだけでなく、復旧プロセスを効率化する。
「AI Log Alerts Summarization」は、大量のログを自動分析し、トラブルシューティングを効率化する機能を提供する。膨大なログからAIが異常の原因を特定してくれるため、人手をかけてログを収集・分析する必要がなくなる。
Outlier DetectionやAI Log Alerts SummarizationといったAI機能により、オブザーバビリティの能力が強化され、従来の受動的な監視を、知的で能動的かつ予測的な運用へと変革できるとしている。
現在、Agentic AI Monitoringは限定プレビューとして、New Relic MCP Server、Outlier Detection、AI Log Alerts Summarizationはパブリックプレビューとして、New Relicのインテリジェントオブザーバビリティプラットフォームの一部として利用できる。
