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鉄飛テクノロジーのファイルサーバー検索ツール「FileBlog」、AIエージェントを利用したチャット機能を追加

 株式会社鉄飛テクノロジーは、ファイルサーバー全文検索ソフトウェア「FileBlog」にAIチャット機能を追加したと発表した。独自開発したAIエージェントにより、生成AIを活用した対話形式の社内ファイルサーバー検索、検索結果の要約などの情報活用、検索結果に基づいた質問応答などが可能になっている。

 FileBlogは、Windowsファイルサーバーの全文検索と文書管理を可能にするWebアプリケーション。検索・閲覧エディション、リモート編集エディション、文書管理エディションから、用途に応じた最適な価格プランを選択して利用できる。

 今回追加されたAIチャット機能は、検索の指示を自然文でチャット欄に入力することで、ファイルサーバーに保存されたファイルの内容を基にAIが情報を検索する機能。テキストによる回答だけでなく、ファイルのサムネイルやアイコンといった画像、ファイルパスのリンクも示されるので、AIによる回答の根拠となった情報にも簡単にアクセスできるという。

 また、検索したファイルの要約を指示することや、検索結果に対し新たな質問を投げかけてさらなる回答を得ることも可能。ログインしている利用者に付与されたアクセス権限に準じて動作するため、社内データの安全性も確保できる。

 鉄飛テクノロジーによれば、現在、ファイルサーバー検索製品におけるRAG(検索拡張生成)の活用では、利用者が検索エンジンなどを使ってファイル検索した結果に基づき、AIが回答を作成する方式が一般的というが、FileBlogではファイル検索の段階からAIが実行する点が特徴。将来的には、ファイル操作(削除、移動、名前の変更、自動編集など)もAIエージェントへの指示で実行できるようにする予定だ。

AIチャット機能の質問受付
ファイル検索と回答生成

 FileBlogのAIエージェントはMCP(Model Context Protocol)を利用して開発されており、各種のLLMと連携して社内ファイルサーバーにあるファイルを検索・参照・利用できる。LLMはChatGPTとClaudeに加え、Amazon Bedrockの各種モデルやローカルLLM環境のOllama互換モデルも利用可能。今後も必要に応じて対応LLM(大規模言語モデル)を追加する予定である。

 なお、FileBlogのAIエージェントの最大の特徴は、利用者が入力する質問とともに、社内文書の使い方や検索のヒントを記述したリファレンスガイドを同時に送信し、LLMに問い合わせする機能を実装している点。どのようなファイルがどこに保存されているのか、どんな業務でどこの情報を参照すべきかなど、社内業務に関する前提知識に対応したリファレンスガイドを設定し、それを利用者の質問に合わせて適切に選択することで、高い精度の検索結果が引き出せるとした。

 このリファレンスガイドは自然言語で記述するテキストファイルで、業務ごとに作成したリファレンスガイド一式を、非構造化データの類似度・関連度による高速検索が可能なベクトルデータベースとして構築し、利用者が入力した質問に応じてリファレンスガイドの候補が自動で選択される仕組み。また、業務内容に応じてリファレンスガイドを追加登録すれば、AIエージェントの適用業務範囲を継続的に拡大しながら運用を行える。

 導入にあたっては、鉄飛テクノロジーがリファレンスガイドのサンプル(無償)およびリファレンスガイド作成のノウハウに関するコンサルティングサービス(有償)を提供することも可能で、利用企業のスムーズな導入を支援するとしている。

 価格例(税別)は、30ユーザー/1万文書ライセンスとAIチャットオプションの場合は年額46万8000円、100ユーザー/20万文書ライセンスとAIチャットオプションの場合は年額61万6000円となっている。