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NEC、AIを用いた機械式駐車施設向けの入庫可否判断技術の実証を実施
2025年11月26日 08:00
日本電気株式会社(以下、NEC)は25日、AI技術を活用し、機械式駐車施設における車両の入庫可否を判断する実証を、2026年1月から開始すると発表した。これまで、熟練スタッフの経験に頼っていた入庫可否の判断をAIがサポートすることで、現場の負担を軽減し、人手不足の解決を目指すとしている。
オフィスビルや商業施設などに併設される機械式駐車施設では、オペレーターが利用者の駐車を支援しているが、中でも、車両の入庫可否の判断は高度な熟練を要する業務のため、現状ではオペレーター個人の経験や知識に依存している。
この入庫可否の判断については、オペレーターが目視で車種を特定し、記憶している車両寸法情報と照合したうえで、さらにルーフキャリアなどの付属品の有無まで総合的に踏まえて判断する必要があるが、判断ミスが車両の損傷につながる場合もあるため、オペレーターの心理的負担が増大し、離職の一因になっているとのこと。さらに、スキルの習得に半年程度を要することから、新人教育が事業者・従業員双方にとって大きな負担になっているという。
これらの課題に対し、NECは、AI技術を用いて車両の入庫可否の判断を標準化・自動化することで、オペレーターの業務を支援し、誰もが安心して働ける環境の構築を目指すとした。
具体的には、横浜市神奈川区のオフィスビルに併設された機械式駐車施設において、AIによる車両の車種、年式、車両寸法、付属品(ルーフキャリア等)の認識精度、ならびに入出庫管理に必要な情報の取得精度を評価するとともに、実運用に適したカメラの台数や設置場所、システム導入効果などを検証する。
期間は、実証のとりまとめを含めて2026年1月から約1カ月間の実施となる。
NECは、今回の実証結果を踏まえ、入庫可否の判断をアシストするソリューションを、2026年度内に提供したい考えだ、また将来的には、無人化ソリューションとの組み合わせも視野に入れている。
